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住まいの防犯の為に、開口部を守る為に注意するべきポイントを紹介しましょう。

一般的に侵入に5分以上かかると7割の犯罪者が犯行を諦め、10分以上かかると9割の犯罪者が犯行を諦めるようです。
また侵入する手口としては、玄関や勝手口ドアの場合はピッキングやサムターン回しや鍵穴壊し等があり、窓の場合はクレセント外しや打ち破りや格子切断等があります。


玄関などドアの防犯対策に優れた錠としては、ピッキング耐久性と耐破壊耐久性、耐こじ破り性能とサムターン回し耐久性がポイントとなります。
難しい用語が並びましたが、基本的には防犯性の高い錠製品を使用することが大切です。
ピッキングとサムターン回しには錠自体で対策できますが、破壊やこじ破りを防ぐには扉自体や錠廻りの強度を高めることも重要となります。
ドア自体の強度があまり強くない場合には、鍵を複数取り付けることが効果的です。
破壊やこじ破りに対しては鍵を合計した耐久性になるので、錠一つでは弱くても複数にすると耐久性が向上するのです。
親子ドアや両開きドアのフランス落しについては、親扉を開けないと開放できない引き起こしレバータイプを使用しましょう。
とはいえ親子ドアや両開きドアは構造上強度が低くなりがちなので、防犯を重視する場合には一枚が大きくなっても片開きのドアにするべきです。

引き戸の場合は、サムターン回しやレールからの脱落などに弱くなるので、サムターン回しに強い錠を取り付けたり、複数の錠を取り付けレールから脱落させにくくするなどの対策が効果的です。
また人が入れる大きさや鍵に近いガラス部分には、窓ガラスと同様に防犯合わせガラスを使う等の侵入対策を取る必要があります。


サッシ窓の防犯対策としては、ガラス自体の防犯性能を上げることや補助錠を使用すること、面格子や雨戸・窓シャッターを取り付けるなどの方法があります。

防犯性の高いガラスとしては、防犯合わせガラスがあります。
合わせガラスは2枚のガラスの間に中間膜をはさみ圧着することで、突き破りに対して高い防犯性能を持たせたものです。
中間膜の材質と厚みによって、防犯性能が変化します。
普通の合わせガラスはこの中間層が薄くガラスが割れた際の飛散を防止することが主な目的なので、突き破りにくくする防犯の点では性能はそれほど高くありません。

その中間層の厚みが30mil以上のガラスを、防犯合わせガラスと呼んでいます。
日本では30mil、60mil、90milが防犯ガラスとして認定されていますが、米国などでは60mil以上が防犯ガラスとされています。
そこで防犯性能を重視する住まいには、多少高価になりますが60mil以上の製品を使用すべきです。
また防犯ガラスには盗難被害の補償が付いている場合も多くなりますが、補償内容はそれほど高額なものではありません。
ガラスのコスト上昇分に見合う補償であることを判断した上で、メーカーを決める事も考慮しましょう。

また強化ガラスや網入りガラスやペアガラスについては、普通のガラス同様に打ち破ることが簡単にできてしまいます。
住まいにこのような特別なガラスが必要な場合には、防犯フィルムを貼ることが効果的です。
多層構造の樹脂シートで350マイクロメートル以上の製品が、防犯フィルムの基準となります。
ただシートの接着部分などが劣化しやすいので、新築で網入ガラスなどの必要が無い場合は防犯合わせガラスを使用した方が安心感や設置コストを含めて考えるとお勧めです。

窓に補助錠を使用することは、防犯合わせガラスを使用している場合でも有効です。
防犯合わせガラスでも小さな穴は比較的簡単に開けることができる場合もあり、小さい穴から開けやすいクレセント以外の補助錠があると防犯性能がより高まるのです。
またガラスが普通ガラスの場合は、ガラスを広く壊してしまうとそのまま入れて鍵の効果がなくなるので、補助錠は防犯上有効とはいえません。
防犯フィルムを貼ったりすることで、ガラスを壊れにくくする防犯対策と併用する必要があります。

面格子は外出中にも窓をあけて換気が出来るので、水廻りの窓ではよく使用されます。
しかし面格子には、強度が弱いものが少なくありません。
換気時の防犯の為に面格子を取り付ける場合には、面格子の強度や取り外せないことが重要となります。
格子の材料が丈夫で複雑な面格子の方が、防犯性能は高くなります。
また昔の面格子は外からビス止めしただけのものも多く、ドライバー一つで簡単に外せてしまうので、ビスのネジ回し部分をつぶすなどして簡単に外せなくする対策が必要となります。

雨戸については、一般の製品には防犯性能はほとんどありません。
隙間が多くレールが弱いので、戸板を比較的簡単に外せてしまうからです。
雨戸で防犯を考える場合には、上下に鍵が付いていてレールの強度が大きく、戸板が持ち上がらない構造の雨戸を使う必要があります。
メーカー製品の場合でも、防犯を重視した製品以外の一般的な雨戸は防犯性能が意外に低いという点に注意が必要なのです。

窓シャッターは、一般的な手動タイプは比較的簡単に破られてしまいます。
電動タイプで施錠がしっかりしたタイプは比較的防犯効果が高いので、窓シャッターで防犯を考える場合は電動式で錠がしっかりした製品か、手動式でも防犯を重視した製品を選ぶ必要があります。


防犯の必要がある開口部は、1階だけではありません。
2階以上でも住宅の作り(2階に上がりやすい屋根やバルコニー)や庭や周囲の状況(物置の屋根や塀)次第で、登って(降りて)いける部分は結構たくさんあるものです。
そのような場所の開口部分にも、1階同様の防犯対策を行うことが大切なのです。

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住まいづくり研究室                                      2012年10月12日更新
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