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快適な住まいとするための住宅環境づくりの中で、音の環境に関してまとめてみました。

室内で要求される音に関する内容としては、外からの騒音を遮ることと、室内で発する音が心地よく聞こえることが基本的なポイントとなります。
また音楽や映画を楽しむ為に、室内から発生する音を外に出さないようにしつつ快適な響きを実現することや、室内のほかの部屋で発生する騒音が聞こえないように遮ることなども含まれます。


まず、邪魔な音を遮る為の遮音について考えましょう。
寝室で静かに就寝するためには、外から入ってくる騒音を35ホン以下にする必要があります。
またリビングなどで普通の声の大きさで会話する為には、外から入ってくる騒音を45ホン以下にする必要があります。

騒音は場所や時間によってまったく変わってきますので、住まいの周囲の環境が騒々しい場所なのか、静かな場所なのかを まず確認しましょう。
住まいがある(建てる予定の)敷地の周囲が騒々しい場合には、外から入ってくる騒音を遮ることが重要で、静かな場所では近所迷惑にならないように屋外に大きな音を出さないことが重要になります。

さらに時間によっても、騒音の大きさがかなり変わります。
一般には昼は騒音が大きく、夜は騒音が小さくなりますが、繁華街の近くなどでは夜のほうが騒音が大きくなることもあります。
室内で発生する音を遮る場合でも、昼と夜では、室外に出してもかまわない音の大きさが変わってくることになります。
ですから遮る音の大きさを考える場合には、対象とする騒音が発生する時間帯を考えた上で検討することが重要となるのです。


まず、騒音を遮る為に重要なことを考えましょう。
外の騒音が部屋に入ってくる場所としては、壁や屋根や窓などいろいろな部分が考えられます。
その中では、壁と屋根から漏れて入ってくる音は比較的少なく、かなり大きい音を遮る場合以外にはあまり重要ではありません。
外部から入ってくる騒音は、窓や換気扇の穴などから入ってくることが多いのです。
また、床と壁や天井と壁が接している部分の隙間からも騒音が入ってきます。

遮音を考える場合に一番重要な部分は、窓と換気口、そして部屋角の隙間ということです。
比較的簡単に住まいの遮音性能を上げる為には、窓に気密サッシを使うことと換気口には気密性のあるシャッターを付けることです。

窓ガラスに関しては、ペアガラスより合わせガラスの方が、より広い周波数の音に対して効果が上がりやすい傾向があります。
ペアガラスの場合は、ある周波数の音に対して極端に音を通しやすくなるという悪癖があるからです。
壁上下の隙間に対しては、気密シートを貼ったり隙間の裏をふさぐ材料を取り付けることで、漏れてくる音や入ってくる騒音をかなり減らすことが出来ます。

更に住まいの遮音の性能を上げる為には、かなりの手間とコストが掛かります。
窓を2重サッシや3重サッシにして換気口には吸音ボックスを設置、外壁廻りの内壁や天井、床に遮音シートを貼ったりボードを2重貼りにしたりして遮音性能を上げます。
一般的には このレベルまでの遮音で、十分効果があがります。
専用のホームシアターや音楽室など究極的に音を遮るには、建物自体を2重構造として、外回りと内回りの間に隙間の空間を作って、その隙間に吸音材を充填することで高い遮音性能を得ます。

トイレや浴室など、遮音性能があまり必要でない部屋の窓や換気扇については、遮音性能を少し下げてもかまいません。
部屋を一つ介すると騒音はかなり減少しますから、多少遮音性能を下げても居間や寝室ではあまり気にならなくなるのです。
無駄を省くことで、住まいにかかる遮音の為のコストを減らすことが出来ます。
ただし、性能を下げすぎることは問題です。
室内間の遮音性能は低いので、入ってくる音が大きすぎると隣接した部屋まで騒音が漏れてしまいます。
遮音が重要ではない部屋では、ワングレード下の遮音性能くらいがバランスがいいところでしょう。


遮音性を求めて鉄筋コンクリート造にした場合、開口部分の気密性(遮音性)には特に注意しましょう。
鉄筋コンクリート自体の遮音性は高いのですが、穴や窓廻りから部屋中に騒音が入ってくると、中で騒音も響いてしまって余計に気になることもあるからです。


部屋から外に音を出さないようにする場合も、基本的な考え方は外からの騒音を遮る場合と同様になります。
同じ建物の中で他の部屋に音を出したくない場合は、室内扉や室間の壁や天井や床の遮音にも気を配る必要があります。
他の部屋に音が漏れても構わない場合は、積極的に内部の他の部屋に音を漏れやすくすると、外部に漏れて出て行く音は小さくなります。

邪魔になる音は、隙間から入って隙間から出て行きます。
隙間が少ない場合は、一番弱いところから漏れ出し、または侵入します。
ですから遮音を行う場合に大切なポイントは、隙間をなくすことと、全体的に同じレベルの遮音性能を持たせることなのです。

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住まいづくり研究室                                      2015年11月6日更新
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