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健康的に住む為に注意することの中で、電磁波についてまとめてみました。

電磁波は電気と磁気の両方の性質をもつ 波 のことで、基本的には光の仲間です。
周波数が高い順から、電離放射線(ガンマ線やX線)、紫外線、可視光線、赤外線、ミリ波、マイクロ波、短波、中波、長波、超長波、低周波電磁界となります。
ここで主に問題となる電磁波は、マイクロ波から低周波電磁界です。

WHOの協力機関である国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が、1998年に 一般公衆を対象に定めた国際ガイドライン値は、電界については 5kV/m(50Hz)・4.2kV/m(60Hz)、磁界については100マイクロテスラ(1,000ミリガウス)(50Hz)・83.3マイクロテスラ(60Hz)(低周波電磁界)、30kHz帯(電波)で6.25マイクロテスラという数値です。
同じ強さなら高い周波数の電磁波のほうが、より危険性が高いということになります。
また50Hzや60Hzの家庭用電源の周波数では強い電磁波が発生しやすいので、この強さが問題となる場合もあります。

最近の研究結果などを踏まえて、世界保健機構(WHO)が2007年6月に公開した環境保健基準では、国際ガイドライン以下の被爆量では、神経系、生殖系疾患、癌等の疾患に対し、電磁界との因果関係を証拠不十分として否定しています。
しかしこれは短期的暴露に対する評定のみで、長期的暴露(常時さらされる電磁界の強さ)については電磁波低減の是非は不明とされています。
さらに 低予算での暴露低減の措置が探索されることを推奨 という微妙な見解となっています。

短期的な暴露に対する影響については、国際ガイドライン以下であれば安全だということです。
日常的にさらされる長期的な暴露に対する影響については、明確な国際ガイドラインは無い状態で、各国独自の研究や対応を推奨しています。
同じ電磁波のレベルであるならば、短期的な暴露より長期的な暴露の方が人に対する影響は大きいはずですが、その危険レベルについては、現状では不明だということです。
さらに、ガイドライン以下の様々な周波数(つまり様々な電磁波発生機器)の電磁波を同時に浴びた場合の危険性に至っては、まず判断できない状態といえます。

現在の日本での規制値は電界についてのみ3kV/m(50Hz・60Hz)です。
基準値では、周波数1.5GHz以上は電力密度「1mW/cm2(1000μW/cm2)」、周波数300MHz〜1.5GHzでは、電力密度は「周波数÷1500」の計算式で算出と、ちょっと分かりにくくなっていますが、国際ガイドライン値の50Hz帯(低周波電磁界)で100マイクロテスラ、30kHz帯(電波)で6.25マイクロテスラという数値を基本にしているようです。

国や地域によっては長時間暴露や小児に対する影響を考慮して、送電線などから発生する電磁波(50Hz 60Hz)に対し、電界1kV/m以下や磁界20マイクロテスラ以下の数値を規制値としているところもあります。

小さい子供や乳児、妊婦(胎児)は大人と比べて電磁波に弱いという研究結果もあるので、そういう方がいる家庭では、リスクを減らす為に注意を払うことが必要でしょう。
頭が電磁波の影響を一番受けやすいという研究結果もあるので、余計なリスクは減らすべきなのです。

家庭内にある電気製品で注意すべき機器は、電子レンジ、IHヒーター、ヘアードライヤー、電気掃除機で、機器に近づくと国際ガイドラインの62.5ミリガウスを超える機器も少なくありません。
大まかに言えば、消費電力が大きい機器を体の近くで長時間使う場合、疾患のリスクが大きくなるということです。
必要のないときは、少し離れておくべきでしょう。
特にIHヒーターなどは子供や胎児の頭がちょうど機器の高さ近くに来るので、特に注意する必要がありそうです。
また電磁波がそれほど強くないものの長時間使用する機器には、電気式床暖房、電気毛布、電気カーペットがあります。
使用する場合には、温度設定を低くしたり、電気毛布の場合は事前に布団を暖めるだけに使って寝る時には切ってしまう等、電磁波の影響が少ない使い方をした方が安心と言えます。

外から来る電磁波で注意すべきものは、送電線と電波塔です。
日本の法令では送電線と建物は電圧により3.6mから10.05m以上離す必要があります。
しかしこの程度離れているだけでは、夜蛍光灯を近づけると蛍光灯が明るくなる位に強い電磁波が出ているので、20m位は離れている敷地が安心できます。
地表では送電線から距離があり電磁波が小さくても、2階や3階などでは送電線に近づいてしまう場合があります。

携帯電話の基地局など、電波塔にも注意が必要です。
特に周波数が高く危険度も高くなるので問題が大きいのですが、出力や周波数、アンテナの向きによって発生する電磁波の違いが大きいので規制が難しいようです。
近くに電波塔があったら、電磁波を計ってもらうことも必要かもしれません。
この二つについては家庭内の工夫等で減らすことが難しく、常に電磁波にさらされるので特に注意が必要となるのです。
しかもこの日常的にさらされる電磁波に、家庭内で使用する機器から発生する電磁波が加わると、電磁波の規制値を超えてしまう事も考えられます。

この電磁波の問題はまだ未知な部分が多く、はっきりした規制もかけられていないので、気にしない場合も多いのですが、土地を選ぶ際には送電線や電波塔だけには注意が必要でしょう。
室内の機器は工夫で対策が出来ますが、外から来る電磁波を防ぐことはかなり困難だからです。

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住まいづくり研究室                                      2012年9月6日更新
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