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渡辺篤史の建もの探訪 山梨県富士吉田市・川口邸-屋内に庭のある家 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 山梨県富士吉田市・川口邸-屋内に庭のある家 は、夫婦と子供3人で5人家族の為の住まいです。
外観はコンクリート打ち放しの庇や壁と、一面の窓ガラスが印象的な住まいです。
敷地の前面には富士山が見え、屋外の敷地部分は砂利敷きと作って間もない建物であることが伺えます。
側面を見ると上部は山形がつながり、Vの字型の屋根が連なっていることが分かります。

正面のガラス窓の一箇所が玄関扉となっていて、入るとオリーブの木やラベンダーなどが植えてある土の庭があり、ここから富士山を眺められる中間的な空間となっています。
山形の天井にはアクリル板が貼ってあるので、室内であることは確かです。

前面のガラス窓は折り戸形式で、全てを解放して外部空間とすることもできます。
景色と一体になれる、個性的で面白い空間作りといえるでしょう。
空間の奥には、水栓が付いた台も備わり、使いやすさを高めています。

そして同じく一面の窓ガラスの壁を介して、リビングダイニングキッチンにつながります。
山形天井のトップライトも同様で、明るさを取り入れていますが、夏の暑さは気になりそうです。

床暖房装備で、コンクリート床の冷たさを解消しています。
キッチンはコンクリートの壁に加えて、レンジフードを囲うコンクリート製のフードが目立ちます。
広いアイランドキッチンで、天袋がない開放的なキッチンながら、必要な収納を確保しています。

LDKの横には子供のスペースもワンルームでつながり、2つの木製の机や棚がキッチンから見渡せます。
造り付けの2段ベッドと収納がありますが、子供の成長に応じてリフォームが必要となりそうな作りでもあります。
その子供スペースの上部にも、山形天井にトップライトでデザインを統一しています。

ダイニングの予定だったスペースにはダイニングテーブルは無く、土の庭にある丸いテーブルがダイニングとして使われています。
その為普段は、ダイニングスペースが子供の遊び場となっているようです。

トップライトは透明なので、雨が降ったときには波紋が楽しめるという特徴があります。
大事に使われている古いオーディオ機器が置いてあるリビングの奥がガラスの扉で仕切られる寝室で、さらに奥にはガラスの扉で仕切られた書斎があります。
明るさを抑える為に、トップライトには天幕が張ってあります。

また他の天窓部分にもフックが付いていて、天幕を張ることが出来る作りですが、暑さは室内に入ってきてしまいます。
書斎の隣はクローゼット、子供スペースとの兼ね合いの為ですが、寝室ではなく書斎とつながる独特の配置となっています。

キッチンの奥から、水廻りのスペースに通じます。
途中に洗濯機置き場や勝手口があり、洗面所に通じます。
洗面所の隣がトイレ、この水周り空間の天井にもトップライト付です。
水廻りの壁はコンクリートの打ち放し仕上げ、透明な塗装は行っているようですが、コンクリートの荒さが強調された空間です。

洗面所の奥には脱衣室を兼ねた2つ目の洗面所、面白い配置です。
浴室はFRP防水仕上げで、2つ目の洗面室とは透明なガラスの扉でつながります。
換気のために四角い窓がありますが、正面以外の3面の外壁には、この四角い窓以外には窓はなさそうです。
正面の窓とトップライトから明かりを取る、建築家のコンセプトが非常に強い住まいといえるでしょう。


山梨県富士吉田市・川口邸-屋内に庭のある家は、RC造、敷地面積174㎡で建築面積102㎡、延べ床面積102㎡の平屋の住まいです。
建築費は不明ですが、RC造の外断熱工法の採用や床暖房が備わるので、仕上げは打ち放しが多いものの坪単価はかなり高くなりそうです。
家族5人の住まいとしては標準的な床面積にも思えますが、プライベート空間をコンパクトにまとめて、リビングや土の庭のスペースをたっぷり確保しています。

今回の住まい 山梨県富士吉田市・川口邸-屋内に庭のある家 は、住まいの中に取り込まれた土の庭とそれにつながるリビングの広さが印象的な住まいです。
山形の屋根とトップライトの連続、外壁の3面のほとんどが壁という、デザイナーのコンセプトが強いデザインを採用しています。

土の庭のアイデアは非常に魅力的なのですが、夏のトップライトの暑さや部屋全体の通風が難しそうな点を考えると、少し疑問が残る建物でもあります。
もう少し通風を考えた開口と、トップライトの場所を少なくすれば、より快適な住まいに出来るはずなのです。
とはいえ、土の庭からリビングキッチンに続く作りや、上部のトップライトは非常に興味深い設計で、景色がいい敷地では取り入れたい住宅のプランだったといえそうです。

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