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渡辺篤史の建もの探訪 神奈川県逗子市・石塚邸-居場所 自由自在の家 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 神奈川県逗子市・石塚邸-居場所 自由自在の家 は、ご夫婦と子供2人の4人家族のための住まいです。
外観は黒いボックスタイプで、頂点がずれて左右の勾配が異なる切り妻屋根です。
軒の出が無いモダンなデザインで、玄関ドアは外壁と同じ仕上げ、玄関の庇も薄く目立ちません。

周囲は自然と畑に囲まれた、静かな環境の敷地です。
ガルバリウム鋼板の黒い外壁ですが、形がシンプルなので、意外に周囲とマッチしています。
庭(駐車場)にはハクモクレンのシンボルツリーが一本、シンプルです。

玄関に入ると、広いモルタルの土間がサイクルガレージを兼ねたつくりです。
側面の大きな窓から出入できる、明るく楽しい玄関となっています。
玄関収納は玄関ドアの横と土間の奥の2箇所に設置、収納量を確保しています。

天井に届く半透明のポリカーボネートの扉で仕切られる寝室は、玄関のすぐ隣。
キャスター付きで収納付きの4つに分かれるベッドが備わり、ひとつを玄関に移動させてテーブル代わりにも使えます。
面白い使い方ができるベッドですが、布団があるので移動や収納には手間がかかりそうです。

寝室には一面に家具が並び、カーテンで仕切ります。
寝室の隣は子供部屋、大きな引き込み戸で仕切られ、ワンルームのようにも使えます。
こちらも一面に家具が並び、カーテンで仕切ります。

子供部屋は男の子二人なので、同じ部屋を一緒に使う形です。
カーテンで柔らかく仕切ることも出来ます。
子供の巣立ちなどを見越した、多目的に使える寝室と子供室です。
子供部屋と廊下も、寝室同様に天井に届く半透明のポリカーボネートの扉で仕切られます。

玄関土間の奥は水廻りスペースで、トイレと洗面所と選択室が一緒になった広い空間があります。
一般的にはトイレが使いにくそうですが、2階にもトイレがあると思われるので、大きな問題は無さそうです。

浴室を仕切る壁には透明ガラスの窓が付き、上部の外窓は洗面所から浴室まで続く横長窓です。

バリアフリーとして車椅子でも使えそうな洗面所なのですが、浴室は一般的な作りで段差付のようです。
開放的な浴室も含めて、かなり独特な作りの水廻りとなっています。

玄関脇の半透明のポリカーボネートの扉で仕切られる階段を昇ると、縦長窓から景色が見えます。
高い収納が階段との目隠しとなり、広く開放的なLDKにつながります。

正面は一面ガラス窓、高い位置にも窓が付くので、北向き窓とはいえ非常に明るくなっています。
さらに南側にあるロフトスペースの窓から、明るい光が降り注ぎます。

リビングにはベッドにもなるソファーが備わり、使い勝手の幅を広げています。
テーブルも移動できて、幅広い使い方が可能なリビングです。
窓の前に狭いカウンターを設けることで、床まである窓の2階高さの恐怖感を和らげ、ぶつかり防止の効果もあるようです。

リビングの上部は勾配天井で開放的、3階のロフトスペースまで勾配天井が続き開放感を高めています。
壁は、合板に薄く色を乗せて仕上げています。

キッチンは白くカウンターが広いアイランド型、背面には収納スペースをしっかり備えて、みんなで使えるキッチンスペースです。
もちろんリビングの大きな窓から、景色を楽しみながら調理が出来ます。

リビングにはベランダ付、適度な広さでリビングからの景色を妨げないサイズに抑えています。
手摺をパイプで作ったシンプルなデザインで、開放感を最大限に生かしたベランダとなります。
西側には袖壁を建て、隣家とのプライバシーも確保しています。

キッチン上のロフトスペースは、スノコ状の床で仕上げています。
半間ほどの奥行きで、メンテナンス通路のようなつくりでもあります。
その奥には屋外である長いデッキスペース、南に面した陽射しを一杯に浴びれます。
ロフトスペースとデッキスペースを仕切る壁は全面窓で、一体的にも使えます。


神奈川県逗子市・石塚邸-居場所 自由自在の家は、木造在来工法、敷地面積118㎡で建築面積57㎡、延べ床面積116㎡と、見た目より敷地が広い住まいです。
1階は57㎡で2階は51㎡でPH階が8㎡、建築費は2150万円で坪単価61万円、間仕切壁が少なく仕上げがシンプルなので、窓や造作家具が多い割には低めの工事費に抑えられているようです。

今回の住まい 神奈川県逗子市・石塚邸-居場所 自由自在の家 は、1階の個性的で独特なプライベート空間と2階の開放的な空間の割り切った作りがポイントでした。

1階はオープンな水廻りやオープンな寝室で、フレキシブルで個性的な作りを採用。
プライバシーよりも、家族のつながりを重視した作りともいえそうです。
かなり独特な水廻りですが、家族の好みによって十分ありえる作りなのです。

2階は開放感を最大限に演出、北向きの敷地ながら、十分以上の陽射しや開放感を獲得しています。
ワンルームでフレキシブルさがある部屋や家具の作りには、参考に出来る部分がたくさんありました。
北向きならではの庇がほとんど無い大窓の開放感も、敷地や住まいのプランによっては使えるアイデアといえるでしょう。

開放感のある窓や部屋の作りが、今回の住まいの大きなポイントです。
使い勝手のバリエーションを広げる家具なども加わり、現代のワンルーム的な空間づくりを最大限に生かした住まいだったといえそうです。

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