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翼のような大屋根の家

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渡辺篤史の建もの探訪 神奈川県葉山町・水見邸−翼のような大屋根の家 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 翼のような大屋根の家 は、ご夫婦2人の為の住まいです。
建物の外観は、コンクリート打放し仕上げの1階に、木板仕上げの2階が載る変形ボックス形です。
コンクリートの型枠は杉板を使用し、杉の木目をかたどった仕上げとなります。
2階の木板も杉板で、防腐塗装が古びた風に見えるということです。

高低差がある庭はまだ未完成、ゆっくり作るとのことです。
木製の玄関ドアは米松、屋外の建具用としてよく使われる木材です。
カンナをかけずに仕上げ、引き込み部分には目隠しとなる木の格子を設置、格子が開くことでメンテナンスも容易です。

玄関の床仕上げは砂浜風、小石とビーズで波打ち際の砂浜を表現しています。
玄関ドアの取っ手は螺鈿細工、靴箱の扉には源平の杉材を採用。
壁は表面をラフに仕上げた漆喰、職人技が光る玄関となります。

玄関脇の階段を登ると、ワンルームのリビングダイニングキッチンが広がります。
大型の高級オーディオが正面に鎮座し、柱や梁から屋根裏の木組みまで現すことで天井の高さをたっぷり確保しています。
階段脇には暖炉も備わり、キッチン奥にはたたみの間も見えます。
北側のデッキスペースに出ると、目の前に竹林が広がります。

キッチンは、奥行きの大きなカウンターとそれに続く壁が青色の仕上げ。
漆喰を研ぎ出した仕上げで、ここにも職人の技が光ります。
カウンター脇の柱は八角仕上げ、太さを感じさせない個性的な柱です。
木を留める金具もほとんど使わず、木で木を留める加工があちこちに見られます。

キッチン脇の小上がりのタタミスペースは、縁なし畳を採用。
個性的なアミダ格子の障子や和紙貼りの建具など、ここにもこだわりが見られます。
ステレオの前の空間がダイニングスペース、手作りの味が強い椅子などでまとめています。
屋根を支える大きな米松の梁を除いて、2階の木には東京産の杉を使用しているそうです。

ダイニング脇の壁には、造り付けの飾り棚兼書棚が備わります。
壁は竹小舞の土壁下地で、建て主が参加した工事もあったようです。

1階に降りて、寝室には10畳と広いスペースを確保しています。
杉板の天井・床仕上げに源平のドアと杉をふんだんに使用した空間ながら、壁が漆喰なのでスッキリした印象があります。
広い窓にはデッキも備わり、庭の家庭菜園が正面にあります。
格子の雨戸が備わり、防犯と目隠ししつつ通風ができます。

寝室からも入れる洗面所は、杉板のカウンターに洗面台が載る作りです。
浴室は、透明ガラスの壁と木製の透明ガラス戸で仕切られます。
窓からは崖の緑が楽しめ、プライバシーと景色を両立しています。

玄関側の戸から出るとトイレの戸が隣にあり、タンクレスの便器が備わります。
こちらも杉板のカウンターや飾り棚が備わります。
手洗い器は陶芸家による手焼きの物で、流木のトイレットペーパーホルダーや建具の目立たないスリットや表情が違う漆喰壁など、隅々までこだわった作りです。


翼のような大屋根の家 は、混構造(1階RC造、2階木造 小舞土壁)、敷地面積320㎡で建築面積56㎡、延べ床面積95㎡です。
1階は42㎡で2階は53㎡、夫婦2人家族としては必要にして十分な広さといえそうです。
建築費は3300万円で、坪単価は115万円です。
1階の鉄筋コンクリートに加えて、職人こだわりの造形や仕上げを行っているのでコストは高くなってしまいます。
その分だけ味わい深い住まいとなっているので、理解できる価格といえそうです。

今回の住まい 神奈川県葉山町・水見邸−翼のような大屋根の家 は、職人こだわりの作りが印象的でした。
材料にこだわり作り方も伝統的な手法を多用しつつ、バランスを上手く取ることで、こだわりの強い住まいをスムーズにまとめていました。

空間としては2階の天井が高いワンルームが印象的で、これは最近の住まいのトレンドとも言えます。
1階がRC造なので2階よりも小さくできて、階ごとに必要な部屋の広さをそのまま作れた点も印象的でした。
一般的な住まいを作る際には参考にしにくい部分が多かったのですが、ワンルームで高い天井の快適さや細かい部分の作りこみなどが参考にできる住まいだったといえそうです。

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