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鎌倉の丘の“ビーチハウス”

渡辺篤史の建もの探訪のデザインやアイデアを活用

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渡辺篤史の建もの探訪 神奈川県鎌倉市・河村邸-鎌倉の丘の“ビーチハウス” で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 鎌倉の丘の“ビーチハウス” は、ご主人が建築家である夫婦と愛犬の為の住まいです。
建物の外観は、片流れの屋根と洗い仕上げの木板(ベイスギ)の外壁が印象的です。
木製で引分けの作業スペースのドアの上には大きな庇がかかり、片流れ部分の奥には白い階段手摺や木のボックスタイプの外観もちらりと見えます。
片流れ部分は上部がキャンチレバーで持ち出し、個性的なデザインをより強調しています。

フィアットのクルマが置かれた駐車スペースは、手作業で荒く並べた石畳。
その横の外部階段に通じるアプローチは、枕木の床という手作業による作品です。
片流れ屋根の1階部分は、作業場と仕事場とホビースペースを兼ねる空間となります。
床は土間コンクリート、粗い仕上げの階段を数段上がると生活空間に通じるようです。

大きな上げ下げ窓の先には海が見え、その手前にステンレス?のカウンター机があります。
壁の仕上げは木板、腰上は白く塗装されますが、腰下は素地を生かしています。
天井も梁や床裏を見せてシンプルな仕上げ、タイ製の天井扇も備わります。
外部の扉の脇にはシャワーもあり、海から帰ってそのまま浴びることが出来ます。

白い手摺の数段の階段を上がると、ポーチ空間です。
アンティークのドアを玄関ドアとして活用、新しい建物なのですが、全体的に古き良きデザインでまとめています。
玄関に入ると、広い土間風の空間となります。
下駄箱の扉は工事の際に出た廃木材を再利用、作業場に通じる開口と2階に上がる階段、そして海が見えるシンプルな作りの木製大窓があります。
窓隣のドアの先には、白い手摺のウッドテラスも備わります。

階段から2階に上がると、広いリビング空間に繋がります。
壁も天井も木で白く塗装、斜めの壁は白く塗ったレンガ貼りで、中央に木色を生かした大黒柱が立ちます。
柱だけを木の色とすることで、空間の中でより強調されています。
屋根下地現しの天井はほぼフラット、屋根(屋上)もフラットであることが伺えます。
海側にベランダがあり、建物の中央の鉄骨階段で数段上がったところにもベランダがあり、屋上に通じるであろう鉄骨階段が見えます。
作業場同様の窓を山側に、ベランダ側に大窓を配した、明るい空間です。

床やインテリアにも古い木材を活用、ダイニングキッチンに通じる廊下の腰壁には白く塗ったブロックを使う大胆さ。
その中央廊下は数段上がった部分にあり、両端で数段の階段を上り下りして移動、リビングとダイニングキッチンは繋がっているものの、空間をはっきり仕切る効果もあります。
中央部分はコンクリート造でしょうか?、廊下の床仕上げもモルタルとなります。

ダイニングキッチンでも古材を活用、食卓からキッチン扉にまで使っています。
シンクは輸入品の陶器製2シンクタイプを据え置き、ステンレスのワークトップにしっかりした作りのガスコンロを組み合わせています。
こちらの窓も上げ下げ窓、視点が高いので作業所よりはるかに良い景色が楽しめます。
脇にあるトイレも窓の格子デザインをDKと合わせ、白く塗装した腰板など、イメージを統一しています。
タンクレストイレに手洗いカウンター付き、小さい空間ながら、全体デザインに合わせてしっかり作られています。
玄関上のベランダから屋上に上がると、ウッドデッキの開放空間につながります。
手摺に囲まれているものの、360度が開放されているので、海から街まで景色を堪能できます。

1階に戻り、リビングの下が寝室となります。
コンパクトな空間で窓は高窓のみ、囲まれ感のある落ち着いた雰囲気です。
壁は腰板の上部に塗り壁、現しの天井には天井扇が付きます。
引き違い扉の先にはドレッサー、赤いモザイクタイル壁をアクセントとした楽しいスペースです。

廊下を挟んで、寝室の対面がゲストルーム。
こちらはリビング同様の大窓と白い壁の明るい空間です。
窓前には小庭と隣地の緑、天井の天井扇に照明付きのテーブルが備わり、リゾートホテルの雰囲気もあります。
天井は木の色、白く塗ると寝ているときに明るすぎる為でしょうか。

廊下の突き当たりに大窓があり、その先には洗濯物が干せるサービスバルコニーが備わります。
その横に水廻り、洗面とトイレがワンルームで、古木材枠の鏡やメキシカンタイルなど、こちらもデザインを合わせています。
隅切りがある浴室は、洗面と同じタイルで壁全面を仕上げ、床は石貼り。
天井はベイスギで木色、バータイプのシャワー、上げ下げ窓の先には専用の坪庭があります。


鎌倉の丘の“ビーチハウス” は、木造在来工法(中央部分も木造のようです)、敷地面積175㎡で建築面積65㎡、延べ床面積114㎡です。
1階は57㎡で2階も57㎡、夫婦2人には十分な広さといえる確保しています。
建築費は不明ですが、古材の活用とシンプルな仕上げがローコスト、こだわりのデザインや木製窓や複数のベランダや設備がコストアップの要因です。
普通作ればちょっと高めの住まいとなりそうですが、ご主人が建築家なので一般的なコスト程度に抑えらているかもしれません。

今回の住まい 神奈川県鎌倉市・河村邸-鎌倉の丘の“ビーチハウス” は、古き良き時代の雰囲気を古材を活用して実現していたところが印象的でした。
鎌倉の海沿いにある敷地の魅力を最大限に楽しむ為に、窓やベランダや屋上空間を採用。
アンティークなデザインを組み合わせて、古き良き雰囲気の中に個性も盛り込まれていたようです。

さすがにここまで古材や輸入品を多用する住宅は一般には作りにくいのですが、住まい手の好みを住まい全体に取り入れたまとまり感は見るべきものがありました。
個性とコンセプトを密度高くしっかりまとめ上げたトータルデザインが、強く印象に残る住まいだったといえそうです。

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