渡辺篤史の建もの探訪 東京都練馬区・山田邸-五角形が居場所を生む家 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。
渡辺篤史の建もの探訪 五角形が居場所を生む家 は、ご夫婦とお子さん二人、4人家族の住まいです。
建物の外観は、玄関周りの屋根までつながる丸柱とベランダの張り出しが印象的ながら、アースカラーの自然な雰囲気も感じられます。
壁のラインも斜めの部分があって、そのあたりが内部の五角形が少し感じられる部分でしょう。
踏み石アプローチの前が砂利敷きの駐車スペース。
アプローチの隣が家庭菜園のスペースと植栽スペースとなります。
玄関の隣には、自転車などが置けるオープンスペース。
その奥には降りる階段があり、段差がある敷地の低い側にある遊歩道につながります。
広めの土間通路には流し付き、扉付きの収納も備わります。
玄関は透明ガラスの木製引き戸、隣の窓も木製で枠で山田の文字？、窓下は木板貼りです。
中に入ると、正面に木板の壁、そのほかはベージュ色のスサ入り塗り壁でナチュラルな雰囲気。
床は杉板で、右側の書棚付ホールの杉板の階段を降りたところが土間通路につながる五角形のプレイルーム。
ホールの前にはウッドデッキも備わり、ホール下は収納スペースと遊びがある空間となっています。
プレイルームには絵や写真が飾られ、高い天井でご主人の趣味である剣道の竹刀がしっかり振れます。
ギターも置かれ、友人主宰の英語教室にも使われる本当に多目的のルームです。
書棚ホールの裏が水廻り、廊下の奥がトイレで、廊下横が洗面所と浴室となります。
白い洗面カウンターにシンプルな洗面器の組み合わせ、ドラム式洗濯機も置かれ、天井と壁は木板です。
浴室は腰下をブルーのモザイクタイル、腰上と天井を木板で仕上げています。
トイレは塗り壁で仕上げ、スタンダードな印象です。
玄関左側が戸襖入口の和室、四畳半タタミ敷部分にある窓が腰下窓で、縁側扱いの板床仕上げ部分の窓が掃き出し窓。
共に障子付で、庭の緑が楽しめる空間です。
壁がななめとなる縁側の壁に収納空間と押入付、押入扉を壁色に合わせて目立たなくしています。
階段を上がると、天井の五角形が目に飛び込んでくるLDK空間。
リビング上に五角形の天井とそれを支える５つの柱梁が囲み、振り返った奥部分がダイニングキッチンとなります。
そのリビング奥には床が1mほど上がった天井が低めの落ち着く空間があり、ステップで上がります。
上がると手摺が無いので少し危ない感じですが、リビングダイニングや大窓の外にあるウッドデッキが見渡せます。
リビングには低めの机カウンターが備わり、そこは子供の落書き場所。
腰高窓の先には、玄関上のウッドテラスと丸柱と景色が広がります。
囲まれ感のあるダイニングキッチンスペースは、コの字型キッチンにL型窓の組み合わせで、調理しながら遊歩道の緑が楽しめます。
窓や天井の高さに合わせた吊戸棚を設けて、集約した使いやすい調理空間としてまとめています。
ダイニングスペースには階段面の壁に開口があり、階段奥の壁が見えることで奥行きが感じられます。
キッチンを隔てる壁はベニヤの掲示ボード、腰高収納や扉付き収納を組み合わせて機能性を高めています。
階段南側が手洗いカウンター付きの広めのトイレで、明るい空間です。
リビングのテレビ台の裏が、数段下がった書斎空間。
コンパクトながら、さらに下がった部分に収納（床面積に入らない中間階納戸のようです）もあるようです。
背面にはウッドデッキにつながる大窓があり、実際よりも開放感があります。
五角形が居場所を生む家 は、木造軸組工法、敷地面積146㎡で建築面積66㎡、延べ床面積109㎡です。
1階は58㎡で2階は51㎡、4人家族としては標準的な面積ながら、五角形と段差を生かした遊びのある空間を生み出しています。
建築費は2860万円で坪単価は87万円、擁壁を兼ねた基礎や五角形を含めた斜め壁の多い複雑なプランを考えると、木造としては高めとなることも納得できそうで
す。
今回の住まい 東京都練馬区・山田邸-五角形が居場所を生む家 は、五角形に段差を加えた楽しい空間が印象的でした。
五角形の隙間に敷地の段差をうまく組み合わせて、土間とつながるプレイルームや2段のリビングなど、平面の面白さに加えて高さの変化も楽しい住まいとしてまとめて
いました。
仕上げは木と塗り壁が中心でナチュラルながら軽快な印象を追加、景色を楽しめる窓も多様で、さらに快適さを加えていたようです。
段差にちょっと危険な部分が見られたものの、変化に富んだ楽しい住まいづくりの参考にできる五角形アイデアが印象的な住まいだったといえそうです。
