劇的!ビフォーアフター 物件185 八方ふさがりの家 で出てきたアイデアをチェックしましょう。
今回の物件185 八方ふさがりの家 は、細い路地の奥に建つ狭小一軒家のリフォームです。
改修をするにも通路の有効幅70cm程度と極端に狭く、工事材料の搬入などにも苦労しそうな、合法的には新築が出来ない敷地の住まいなのです。
さらに隣家の壁もすぐ近くで、まともに窓を開けられないような状態です。
建物自体も番組史上最低の5.6坪、2人暮らしとはいえ如何にスペースと光を確保するのかという点がリフォームのポイントとなりそうです。
通路が狭いので、引越しから解体、さらに新しい材料運びも人力だけなので一苦労です。
これだけ人手がかかると、工事費用も上がってしまいます。
解体が済むと骨組み自体はかなり健全で残っており、戦後の木材が少ない中でも真面目に建てられたことが分かります。
元々大工さんの自宅だったらしく、納得の作りの良さです。
とはいえ鉄筋がない基礎を補強、基礎の底板を作ることによる補強です。
ただ立ち上がり部分に補強がない点は、ちょっと気になるところでしょう。
新たに作った土間ギリギリの高さで土台を設置、さらに中間階をたくさん作っています。
スキップフロアと呼ばれる、床の高さを変えることで空間を広く見せる手法を採用するようです。
新しい外壁には、工事が比較的簡単なサイディングを活用です。
玄関までのアプローチも、コンクリートの緩やかなスロープとなりました。
引き戸の玄関の段差をほとんどなくし、バリアフリーを考慮です。
玄関には、狭小住宅とは思えない大きな収納も付きました。
手摺付きの腰掛も付いて、かなりのバリアフリー対策が施されました。
と思いきや玄関すぐに3段分の階段、この作りなら玄関の段差無しは必要ないような気がします。
水が流れ込む不安が高い分、不利ともいえそうなのです。
3段上がったところにお母さんのスペースがあり、洗面とトイレと浴室も同じ高さでコンパクトにまとめています。
特に浴室は本格的なバリアフリーの作りで、手摺装備の縁をまたがずに入れる階段で降りるタイプの浴室を採用です。
幾つかに分かれた階段には両側に手摺を設置。
さらに踊り場が多く、出窓を利用した腰掛も設置です。
娘さんの部屋には中央部分が開いて床下収納につながるベッドを設置、さらにベッド両サイドを収納としたアイデアベッドを設置です。
なかなか面白いアイデアですが、両サイドの収納を使う際にはハシゴの途中で行うことになり、ちょっと危険な収納とも言えそうです。
唯一風景が楽しめる窓がある2階?のコーナー部分を利用して大きな窓を設置、明るいダイニングスペースを確保しました。
その隣にはタタミ2枚分の小上がりを設けて、使い勝手を広げています。
ここで浴室のタイルに特殊加工を行って、滑りにくいタイルに仕上げました。
確かに後加工でも処理を行うと効果があるのですが、磨耗が早く効果が無くなってしまうまでの時間が短いという弱点もあります。
出来れば、元々滑りにくく作ってあるタイルを使いたいところです。
お母さんの部屋と娘さんの部屋を段差をつけて設置することで、収納スペースを効果的に配置しています。
特にお母さんにとっては低めの収納となり、使いやすそうです。
洗面所には鏡付きの収納、トイレには跳ね上げ式の手摺、さらに浴室は前述の通りです。
コンパクトながら、使いやすい水廻りといえるでしょう。
娘さんの部屋には掘りごたつ式の机を設置、椅子が要らず、段差を生かした上手いアイデアです。
2階のキッチンは、椅子付きのバリアフリー配慮型です。
さらに収納や冷蔵庫を集約して配置しています。
流しの横には作業台、なんとその中に洗濯機が入っていました。
床を下げることで洗濯機を低い位置に設置しています。
低いので腰掛けて取り出しやすい高さになっていますが、立って取り出す際には逆にきつくなります。
その真上に収納式の物干し竿を設置、洗濯スペースも椅子に座って可能な形でコンパクトにまとめました。
物干しスペースは出窓部分なので、ロールブラインドで目隠しが可能です。
階段廻りにダイニングテーブルを設置です。
下部は収納、一部を移動式にして、多様な使い勝手が可能です。
小さな座卓と移動式テーブルを組み合わせる円形テーブルは、面白いアイデアですが やりすぎでしょう。
2畳の小上がりには布団収納も付いて、客間の機能も果たします。
階段上部には外部の物干し、小上がりの家具を階段に上がる面白い作りです。
劇的!ビフォーアフター 物件185 八方ふさがりの家 では、狭小住宅ならではの豊富なアイデアが目立ちました。
バリアフリーに関しては、階段の多さや耐久性が気になるところですが、まだ若いお母さんには適度なリハビリとも考えられそうです。
普通の住まいでも活用できそうなアイデアがたくさんで、狭小住宅だけでない、使いやすさのアイデア一杯のリフォームだったといえそうです。