健康的に住む為に注意することの中で、ホルムアルデヒド以外の化学物質についてまとめてみました。
日本の厚生労働省が策定した室内濃度指針値は以下のとおりです。
化学物質 | 室内濃度指針値 μg/m3 | 室内濃度指針値 ppm |
---|---|---|
ホルムアルデヒド | 100 | 0.08 |
トルエン | 260 | 0.07 |
キシレン | 870 | 0.20 |
パラジクロロベンゼン | 240 | 0.04 |
エチルベンゼン | 3,800 | 0.88 |
スチレン | 220 | 0.05 |
クロルピリホス | 1 小児0.1 | 0.00007 小児0.000007 |
フタル酸ジ-n-ブチル | 220 | 0.02 |
テトラデカン | 330 | 0.04 |
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル | 120 | 0.0076 注)蒸気圧不確定 |
ダイアジノン | 0.29 | 0.00002 |
アセトアルデヒド | 48 | 0.03 |
フェノルカルブ | 33 | 0.0038 |
総揮発性有機化合物量 | 暫定目標値 400 |
以上のように、日本では13種類の有機化合物が指定されています。
これを元に建築基準法において シックハウス対策に係る規制 が作られました。
実際に住宅を建てる場合には建材に注意を払い、24時間有効な換気を取ることで規制の濃度を超えない仕組みとなっています。
確認の為に測定する場合は、ホルムアルデヒドが代表として測定されています。
またクロルピリホス(木材に塗る防腐防蟻剤の中のひとつ)は人体に対する影響が強い為、使用禁止となっています。
WHO欧州事務局による空気質ガイドラインは以下のとおりです。
発がん性・臭気・不快感以外の健康影響に基づく工業化学物質の空気質ガイドライン
化学物質 | 室内濃度指針値 μg/m3 | 平均曝露時間 |
---|---|---|
ホルムアルデヒド | 100 | 30分 |
トルエン | 260 | 1週間 |
スチレン | 260 | 1週間 |
1,2-ジクロロエタン | 700 | 24時間 |
ジクロロメタン | 3,000 450 | 24時間 1週間 |
テロラクロロエチレン | 250 | 1年間 |
ポリ塩化ビフェニール | 未設定 | 未設定 |
カドミウム | 0.005 | 1年間 |
二硫化炭素 | 100 | 24時間 |
一酸化炭素 | 100,000 60,000 10,000 | 15分 30分 8時間 |
フッ化物 | - | - |
硫化水素 | 150 | 24時間 |
鉛 | 0.5 | 1年間 |
マンガン | 0.15 | 1年間 |
無機水銀 | 1 | 1年間 |
二酸化窒素 | 200 40 | 1時間 1年間 |
オゾン | 120 | 8時間 |
浮遊粒子状物質 | 用量/応答 | - |
白金 | - | - |
ダイオキシン類 | 未設定 | 未設定 |
二酸化硫黄 | 500 125 50 | 10分 24時間 1年間 |
バナジウム | 1 | 24時間 |
30分平均値での感覚影響や不快感に基づく空気質ガイドライン
化学物質 | 認識閾値 μg/m3 | ガイドライン μg/m3 |
---|---|---|
ホルムアルデヒド | - | 100 |
スチレン | 210-280 | 70 |
テトラクロロエチレン | 24,000-32,000 | 8,000 |
トルエン | 10,000 | 1,000 |
二硫化炭素 | - | 20 |
硫化水素 | 0.6-6.0 | 7 |
注)資料は2002年時点
この二つを比べて目に付くのは、日本の濃度規制には暴露時間が考慮されていないということです。
トルエン、スチレンなどはWHOの1週間の規制濃度とほぼ同じなのですが、ホルムアルデヒドでは30分の規制濃度と同じです。
住まいで1週間の期間であれば、外出する時間などを考えると問題は少ないと思われますが、住まいでの30分はすぐにオーバーしてしまうのではないでしょうか。
つまり日本の法による制限は、ヨーロッパより不足しているということなので、自分の健康を守る為にも、新築やりフォーム直後の数ヶ月間と初めての夏は、換気を多めに取ることが大切といえるでしょう。
有機化合物は揮発性が高く、新築やりフォーム直後と温度が高いときにより多く発散するので、そのときに換気を行って有害物質を積極的に外に出すことが大切なのです。