熱遮蔽フィルムは、日射を遮蔽し冷房効率を高める建材として注目されています。
メーカー(IQueフィルム)公表の特徴は
減圧した容器(スパックリングチャンバー)の中で、イオン化されたアルゴンガスを真空下で金属に照射し、たたき出された分子または原子をフィルム上に堆積させ、薄膜を形成する スパッタリング技術を用いて開発された特許フィルムです。
反射により最大98%の赤外線を遮蔽することができます。
反射型の熱遮蔽フィルムでは、従来の熱吸収型フィルムに比べガラスの表面温度上昇が抑えられるので、温まったガラスから室内への熱の再放射も低く抑えられます。
高い可視光線透過率で、室内に十分明るさを取り込むことができます。
金属積層面の可視光線反射率が低いので、ギラつきがなく透明感のあるガラスとして景観を保ちます。
赤外線だけでなく、紫外線も99%カットするので、室内のカーペットや家具の日焼けを減らすことができます。
室内の温度上昇を防ぐことにより、冷房など電力量削減が可能となり、エネルギー消費によるCO2の排出の削減につながります。
以上が概要です。
ペアガラスと違い 断熱ではなく、入ってくる日射の熱を防ぐ為のフィルムです。
断熱性能が必要な場合はペアガラスなどにする必要があります。
日射による熱の進入を防いでくれるので、庇が無かったり軒の出が短い住宅に最適です。
製品のグレードにもよりますが、可視光透過率が58パーセントから77パーセントと比較的高く、日射熱遮蔽率が0.55から0.44と、ほぼ半分をカットしてくれるのです。
問題は、冬の日射による暖かさまでカットしてしまうことです。
また、庇が大きく出ている住宅には ほとんど意味がありません。
つまり、デザイン最優先で庇が無い住宅には必要ですが、設計の工夫次第では必要が無いフィルムとも言えます。
元々は庇が無いビルの為に発展した建材です。
熱を入れたくないトップライトには、有効なフィルムといえるでしょう。
また、大きく高い開口部を持つ住宅の窓にも有効です。
しかし冬の暖かさも遮ってしまうので、住宅で使用する場合は必要最小限に抑えるべき建材といえそうです。
製品例:IQueフィルム、スコッチティント、インフレット など