厚型軽量瓦は、日本瓦のもつ重厚感を保ちつつ、軽量化を計った屋根材です。
屋根が軽量となることで、地震に対して有利となるのが最大の特徴といえます。
メーカー(KNEW)公表の特徴は
無機材料の堅牢さ、不燃性と樹脂材料の耐水性、造形性。
そして繊維材料の粘り強さ、それら異なる素材の特性を融合したのがHybrid PIFです。
この新素材の誕生により、丈夫で軽量な屋根材をつくりました。
屋根材を軽くするには、素材内に数多くの気泡を設けることが効果的です。
新素材Hybrid PIFは、少量の樹脂材料を発泡させて樹脂被膜された気泡を作るポリマーフォーミング製法により、気泡への水の浸入を抑制、優れた軽さと低比重を実現しました。
屋根材の軽量さは、地震の揺れを抑えたり、建築コストを軽減したり、間取りの自由度を高めたりと、住まいにメリットを提供してくれます。
一般的な厚型平板瓦と比較して約44%の軽量さを実現しました。
無機材料の堅牢さに繊維材料の粘り強さをプラス、無機材料と強固に結びついた繊維材料が補強材としての役割を果たし、強い破壊荷重が加わった際も、素材自体がたわむことによって衝撃や荷重を吸収します。
紫外線に強い無機系塗膜グラッサコーティングが色あせや汚れの付着を防ぎ、屋根の外観寿命を延ばします。
以上が概要です。
瓦風のデザインで軽量化できるのが最大のメリットでしょう。
金属板で瓦状に形成した屋根材は高価ですが、こちらは比較的ローコストなことも利点となります。
屋根が軽量化されることで地震に対して有利になる点も、最近の耐震性能向上の流れに適した材料といえそうです。
デメリットは、棟部分などを専用のシンプルな部材で構成するので、純和風の重厚なデザインとはちょっと離れてしまうことです。
金属板で瓦形状でなくても厚みを感じさせる屋根材は多いので、瓦形状というデザイン面でのメリットは霞んでしまいます。
また樹脂を使用しているので、樹脂の劣化が瓦自体の劣化に直結している点も、多少気になるところです。
強風や積雪に対しては、それほど強くないので、使用できる地域が限られてしまう点も弱点といえるでしょう。
厚みを感じさせる造形を、比較的ローコストで作ることが出来る点が一番のメリットといえます。
ですが、強風や積雪に弱いというデメリットもあり、更なる開発が期待される部分といえそうです。
厚みを感じさせる金属屋根材に対して、デザイン上の大きなメリットを感じない点も、積極的に採用するほどの屋根材とは感じられないのが弱点といえそうです。
製品例:ROOGA