襖の修理では、戸のすべりの悪さの改善と破れの補修がポイントでしょう。
戸のすべりの悪さを改善する前に、戸車の有無を調べます。
戸車があれば、引き戸と同様の修理を行いましょう。
戸車が無い事を確認したら、敷居のすべりの良さを改善します。
敷居の溝を綺麗に清掃し、溝の中に引っかかりを感じる部分があったら、150番程度の紙やすり(サンドペーパー)で削って滑らかにします。
溝全体にヤスリ掛けを行う場合は、溝の幅と同じくらいの大きさの箱状のものにサンドペーパーを巻いて行うと、綺麗でスピーディーに終わります。
ついでに、襖下面の溝の上を動く部分(コーナー部分)もサンドペーパーを掛けて滑らかにしておきましょう。
ただ削りすぎると戸が外れやすくなるので、削りすぎないことも大切です。
再度溝を清掃して、ヤスリかけのくずを取り除いてから、滑りを良くするためにロウを塗ります。
ろうそくを溝に沿って押し付けながら滑らせると、綺麗にロウが塗れます。
滑りを良くするために敷居テープを貼る場合は、敷居の溝の深さを確認しましょう。
また敷居の幅は通常19mm程度ですが、狭い場合もあるので、念のために計っておきましょう。
溝の深さが2mm以下の場合、敷居テープを貼ると 襖が溝から外れやすくなる場合も有るので、溝が浅い場合はロウを塗るだけに留めましょう。
襖紙が破れた部分を補修する場合、厚紙を破れた部分の大きさに合わせて切り、両面に糊を塗って襖紙の内側の隙間に入れます。
少し時間を置いて、厚紙が固まってから破れた襖紙の内側に糊を塗って、廻りの襖紙に合わせた形で貼りつけます。
襖紙の大きな破れや全面の張り替えについては、専門の業者に修理を任せたほうが綺麗に丈夫に仕上がります。
障子の修理でも襖同様、戸のすべりの悪さの改善と破れの補修がポイントでしょう。
戸のすべりの修理方法も襖と同様ですが、最近の障子は戸車を使用している場合も多いので、引き戸の戸車と同様の修理が必要な場合も多くなります。
障子紙の張り替えは、丁寧に行えばそれほど難しいものではありません。
まず古い障子紙を霧吹きや濡れた雑巾で濡らし、しばらく時間を置いて糊が柔らかくなったところで、古い障子紙を剥がします。
濡らした雑巾で、枠に付着している糊や残った障子紙を綺麗に拭き取ります。
そして、枠を乾燥させます。
障子紙は1枚張りの製品が便利です。
乾いた枠の上部に障子紙をテープで仮留めします。
枠や桟に糊を塗り、障子紙を軽く引張り気味に転がして、下まで張っていきます。
枠や桟の部分を押え、ならしておきましょう。
そして、枠の内側8mm程度のところに定規を当て、障子紙をカットします。
この時には、枠を傷つけないように注意しましょう。
障子紙を取り除いた部分に付いている糊を、綺麗な雑巾で丁寧に拭き取ります。
最後に障子紙全面に軽く霧吹きをして、陰干しします。(この行程は、障子紙の種類によっては不要です)
乾いたら完成です。
ここで必要な工具やパーツ