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桜並木と川面を愛でる家

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渡辺篤史の建もの探訪 東京都日野市・大内邸-桜並木と川面を愛でる家 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 東京都日野市・大内邸-桜並木と川面を愛でる家 は、夫婦と2人息子の4人家族の住まいです。
外観はココアブラウンの色で、落ち着いた印象です。
2階のデッキスペースを幅広く取って、周囲の桜並木を見ることを想定していることが外観からもうかがえます。

日本の住宅では珍しい内開きの木製玄関ドアを入ると、正面に自転車や洗濯機がおいてある部屋があります。
玄関の床タイルがそのまま続き、奥の勝手口や窓から明かりが漏れています。
玄関ドアの脇にも小さな窓があり、ちょうど桜の木が見える位置です。

隣の階段は玄関側の手摺をスチールの細い物とすることで、開放感をプラスしています。
子供が大きいので安全上は問題ないようですが、小さい子供がいると仮定するとメッシュを張りたいところでしょう。
階段上部のトップサイドライトから、陽射しが降り注ぎます。

玄関奥の部屋にある洗濯機の隣には洗濯流しや作業テーブルもあって、洗濯物を干すスペースもあります。
日中仕事で出かけることがほとんどなので、部屋干しのスペースを作ったようです。
脱衣室に通じる収納家具があり、洗濯機側から洗濯物が簡単に取り出せるアイデア付きです。

玄関とを仕切る扉は、スダレをポリカーボネート板で挟んだ仕上げで、適度な明かり取りと目隠しを兼ねています。
自転車は2台置いてあり、川筋の道路を走ると気持ち良さそうです。
奥からは南側の庭にも出られ、庭の手入れもスムーズに出来そうです。

階段の上がり口は、1段目の板の角をしっかりRとして、ぶつかっても怪我しない配慮がうれしいところです。
階段を上がると、ダイニングキッチンとなります。
正面に丸い柱があり、キッチンカウンターも木の仕上げでナチュラルな雰囲気です。

天井はシリンダーを切り取った形の曲面で、開放感を高めています。

階段部分の目隠し部分とダイニング奥の壁には輻射熱暖房機を設置、適度な目隠しと暖房を兼ねたデザイン暖房です。
キッチン前には高めのカウンターがあり、手元をしっかり隠しています。

2階からデッキスペースに出ると、桜が正面に見えます。
電柱や電線がちょっと気になりますが、桜並木が視線一杯に広がります。
さらにデッキの奥まった部分にはトップライトをつけて、デッキの開放感や室内の明るさも確保しています。
2階のデッキに上がると、桜並木の奥には川面も見えます。
桜が咲いていなくても川のせせらぎが楽しめる、絶景のデッキスペースです。

ダイニングスペースの壁一面は書棚で、南面には腰窓と長く続くカウンター収納があります。
一部のカウンターを広く取り、パソコン机としています。

キッチンはかなり広く、生ゴミ処理機のスペース付です。
オーブンや電子レンジは収納棚中で、格子戸で目隠しつつ蒸気が逃げる配慮もされています。
さらにキッチン後ろにも作業カウンターが広がり、みんなで調理することもできるキッチンスペースです。
設計者オリジナルのキッチン収納は入れる物に合わせた作りで、スペースに無駄なく調理器具などが収まります。

キッチンの北側・玄関の上が、洗面所とトイレのスペースとなります。
タンクレス便器が備わるトイレからは、デッキにも出られるドアがあって独特です。
目隠しのブラインドが備わるので、プライバシーも問題ありません。
洗面台の後ろは収納スペースとなっています。

ダイニングの奥の部屋には造り付けのソファーがあり、テレビや音楽を楽しむAVコーナーとなります。
ここはダイニングより天井が低くなりますが、壁一面に書棚があり、ロフトの高さまでつながるダイニングと同じくらい高い書棚となっています。

AVコーナーの両側が子供部屋で、長い机とクローゼット、さらにベッドがあるロフトまで備わります。
上部のロフトは書棚で通じているので、家族のつながりにも一役買っています。
北側の子供部屋は窓から桜が見え、さらにデッキにも出られるドア付です。

1階に戻って物干しスペースの隣が水廻り、洗面とトイレがワンルームで、奥には開放的な浴室が広がります。
こちらも輻射熱暖房付き、白いタイルで壁仕上げを統一しています。
天井は桧仕上げ、浴室を仕切る壁にガラスを多用することで洗面所と一体化して、洗面所に明るさと広さを加えています。
洗濯室側につながる収納付です。

浴室の奥が寝室、天井までの本棚と、庭に開いた大きな窓が印象的です。
そして廊下を挟んだ道路側には3畳のタタミの間があり、床までありながら高さが低めな窓で、和室の座った視線の高さに合わせています。
その窓からは桜が見え、ひとりでくつろいだり接客したり、多目的につかえる部屋です。


東京都日野市・大内邸-桜並木と川面を愛でる家は、在来木造、敷地面積130㎡で建築面積63㎡、延べ床面積110㎡と、4人家族の住まいとしては標準的な広さといえそうです。
1階は54㎡で2階は56㎡、2階が少し張り出す形ですが、1階には袖壁があるので不安はありません。
建築費は2835万円で坪単価は86万円、若干高めにも感じますが、家具の作りこみや設備を見れば納得の価格です。
予算に応じて、設備選びや家具の作りこみの内容を調整しやすい住宅とも言えそうです。

今回の住まい 東京都日野市・大内邸-桜並木と川面を愛でる家 は、真面目な作りこみが印象的な住まいでした。
住宅建築家が大好きな建て主なので、その期待にしっかり答えた、細かい配慮が一杯詰まった作りがポイントです。
奇をてらったアイデアや作りがないので、実用的で安心して見ていられました。

キッチン廻りの作りや天井までの本棚、本棚でつながる子供部屋や洗濯収納など、普通の住まいでも活用できるアイデアが豊富なところもポイントです。
ここまで細かい部分を設計するのは大変ですが、その分だけ使いやすく気持ちの良い住まいとしてまとめられていました。
実用的な細かい作りこみのアイデアに注目の、真面目で良質な住まいだったといえそうです。

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