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緑に埋もれる家

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渡辺篤史の建もの探訪 東京都町田市・出合邸-緑に埋もれる家 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 緑に埋もれる家 は、夫婦と子供3人の5人家族の住まいです。
玄関までの17mのアプローチは緑あふれる細長い坂の小道で、一般的には建物を建てにくい旗竿型の敷地を上手く活用しています。
途中には自転車置き場や階段を配して、様々な種類の木々と共に、長さを感じさせない楽しさがあります。

建物の外観は黒いボックスがベースで壁の一部に木を張って仕上げ、3年経った木の部分は色が落ち着いてきています。
玄関の脇にはベンチやテーブル付きの広いウッドデッキがあり、途中には四角い小さな池もあります。
木製の玄関ドアは、外壁と同様の黒い仕上げを組み合わせています。

玄関を入ると、木の仕上げが目に入ります。
柱や梁がそのまま見える状態で、壁や天井は合板仕上げ。
玄関の床も木目の仕上げで、木に囲まれる室内空間です。

玄関とダイニングキッチンを仕切るのは梁から吊られたブランコで、楽しい空間を演出しています。
ダイニングスペースは隣地の遊歩道に面していて、横に続く窓から遊歩道の緑もたっぷり楽しめます。
さらにウッドデッキにも出られる窓があり、緑の景色と明るさをたっぷり取り込んでいます。
玄関脇の階段は踏み板を斜めにカットして、コンパクトなサイズに抑えています。

玄関正面の壁には家の図面が貼ってあり、思い入れが感じられます。
腰高の収納は、カウンター上がピクチャースペースとなります。

ダイニングスペースには大きな食台があり、壁にはテレビなどが置けるカウンターがキッチンカウンターから続きます。
キッチン上部のロフト空間には自転車を置いて、遊び心が見られます。
天井と壁の境目部分には垂木梁の隙間を埋めるガラス窓がつき、より明るさを取り入れています。
玄関とDKを仕切る壁は漆喰仕上げ、そこに家族全員が音楽を楽しむ為のスピーカーが埋め込まれています。

対面式のチッキンは広いカウンタータイプで、キッチンの床は1段下がって、調理中でも座った家族と視線が合います。
勝手口の外は小さなウッドデッキで、ここからも隣地の緑が見られます。
キッチンの背面の壁は黒、そこに吊り戸棚付きの収納カウンターが備わります。

キッチン部分には2つの黒いドアがあり、1つは水廻りに通じます。
黒い扉で仕切られた洗面所には洗濯機置き場もあり、ガラスで仕切られる浴室につながります。
浴室もハーフユニットより上は やはり木仕上げ、他の部屋は合板ですが、こちらはサワラの無垢板の仕上げです。
勝手口脇のウッドデッキに面した横窓があり、目隠し塀の上から緑が見られます。

洗面所の窓はジャロジー窓に開け閉めできるシェードの扉付きで、柔らかい光を取り入れています。
トイレの引き違い戸も黒、こちらもシェード付き縦長窓が備わります。
引き違いなので、便器廻りの掃除も楽になります。

キッチン脇のもうひとつの黒いドアは、寝室につながります。
こちらもシェード付き縦長窓が付き、昼間でも落ち着いた適度な暗さとしています。
外壁面が合板仕上げ、他の壁は漆喰仕上げです。
クローゼットもやはり黒い扉です。

登る足が右足スタートとなるコンパクトな階段から2階に上がると、小屋裏空間です。
左右2つの部屋は、ひとつがミシン台が備わる趣味のスペース。
ダイニングスペースとは障子で仕切られ、つながりが感じられる空間でもあります。
垂木梁の上の壁にはガラス窓が入り、角度によっては、ダイニングの先のガラスから隣地の緑を見ることも出来る遊び心を加えています。
外壁側には小さな窓がひとつあるだけですが、将来は長男用の子供部屋となる予定です。

もうひとつの部屋も同じような作りで現在も子供部屋、将来は2人姉妹専用の子供部屋となるので広めです。
窓も2つになり、キッチン上奥のロフトに通じます。
ただ2階が実質居室だとすると、手摺が無い階段は法規上では違法です。


緑に埋もれる家は、木造在来工法、敷地面積173㎡で建築面積54㎡、延べ床面積89㎡です。
1階は54㎡で、2階は35㎡です。
旗竿状の敷地なので有効に使える敷地は少なくなりますが、それでも余裕はありそうです。
家族5人の住まいとしては少しコンパクトな住まいといえそうですが、天井が高く開放的なので狭い印象は感じられません。
建築費は1988万円で坪単価は74万円、素材を生かしたシンプルな作りですが、高い天井など空間は広いので標準的な価格となっているようです。
こだわりのデザインや窓などから考えると、安価にまとめているともいえそうです。

今回の住まい 東京都町田市・出合邸-緑に埋もれる家 は、木の仕上げと隣地の緑を生かした住まいづくりがポイントでした。
柱や梁を見せるシンプルな木質仕上げを中心に、漆喰の壁を組み合わせたナチュラル仕上げが印象的。
アクセントとして扉を黒い扉に統一、全面を木で仕上げるしつこさから離れてモダンな印象も加えていました。

窓の工夫も印象的で、隣地の緑を取り込む窓の配置や柔らかい光を取り入れるシェード付き窓。
さらには垂木梁の隙間を生かしたガラス窓など、興味深いアイデアが盛り込まれていました。
階段部分は微妙ですが、スペースを減らす作りは昔からある定番の工夫です。
木をたくさん使いつつ、しつこさは感じさせないデザインのバランスと窓の工夫が、今回の住まいの注目ポイントだったといえそうです。

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