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逗子の山景色を戴く家

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渡辺篤史の建もの探訪 神奈川県逗子市・竹内邸−逗子の山景色を戴く家 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 逗子の山景色を戴く家 は、ご主人が建築家である夫婦とお母さん、3人家族の住まいです。
建物の外観は、山の緑を背負った黒いボックス。
玄関庇の上にも緑が載る、モダンながら自然も感じさせる住まいです。

ポーチの脇にはマーガレットのプランター、駐車場スペースともなるスロープを登った、少し奥で高くなった部分に建物が建っています。
遺跡だった敷地に建つ為に、遺跡を保護する盛土をして建てているのかもしれません。

シルバーの玄関ドアを入ると、正面の窓に裏山の緑が見えます。
玄関タイルは土色ですが、上がったスロープ床は黒。
玄関収納の扉も黒で、白い壁と対比させているようです。
手摺を兼ねる傘立て付き、雨のしずくは下に置いた素焼きのレンガで吸うしくみ、面白いアイデアです。

スロープを進むと天井は吹き抜け、片方の壁はオープンの収納棚が続きます。
突き当たるとゆっくり上がる階段、その間は横長に続く窓から裏山の緑がたっぷり楽しめます。
最後の階段を数段上がると、リビングダイニングキッチンの空間が広がります。

ダイニングキッチンは天井が高め、床近くまである大きな窓から風景が楽しめます。
対するリビングはスロープ階段に面して普通の天井高さ、壁手摺の先に裏山の景色を楽しみつつダイニングの先の景色も楽しめる空間となります。
アンティークの大きな柱時計も置かれ、オープンながら落ち着いた雰囲気が加わります。

DKには丸い大きなダイニングテーブルは北欧製、天井からは木製のヤコブソンランプが吊り下がり、窓の前にはコルビジェの寝椅子と建築家の住まいらしい家具が揃います。
さらにリビングとダイニングの間には骨董品の和ダンス、和洋折衷ながら、高さがぴったりで似合っているようです。

キッチンのIHヒーター側がアイランドキッチン。
背面に壁付きのシンクが備わり、動きやすく使い勝手を向上。
ワークトップは人工大理石、他は白い色にシンプルなバー状の取っ手を組み合わせ、モダンな印象でまとめています。
キッチン脇のドアの先には、サービスバルコニーが備わります。

リビングの奥、1段上がった空間が家族のワークスペース。
トップライトやハンモックにガス管製のハンガーパイプや黒電話も置かれる、楽しさも感じられる空間となっています。
隣のパントリー・洗濯コーナーにもつながり、LDKから一周できる回遊空間でもあります。

1階に戻る途中、ゆっくりした階段部分の内壁にはガラスブロックが入っています。
スロープの玄関床から少し下りて中廊下、手前の部屋が夫婦のクローゼット、椅子や姿見鏡が置かれる広い空間です。
ガラスブロックからのカラーの光が入り、窓無しの暗さを緩和しています。

廊下を介して、クローゼットの反対側が水廻り。
タイルに囲まれた洗面台に収納棚も備わり、コンパクトながら使い勝手を高めています。

透明なガラス戸で仕切られる浴室は、壁が洗面所と同じ小さい横長タイル仕上げ。
桧板の腰掛が付いて、そこでシャワーを浴びることが出来ます。
縦置きの浴槽の袖には腰掛け空間が生まれ、浴槽に入りやすくしています。

クローゼットの隣がお母さんの個室、緑がいっぱい見える大きめの四角い窓が備わります。
その隣で浴室の奥が、夫婦の寝室となります。
四角い窓に加えて屋外に出るドアが備わりますが、クローゼットが別なので少しコンパクトなスペースとなります。


逗子の山景色を戴く家 は、木造軸組工法、敷地面積102㎡で建築面積51㎡、延べ床面積102㎡です。
1階は51㎡で2階も51㎡、スロープ部分がかなり広いものの、3人家族として必要な広さはしっかり確保しています。
建築費は2040万円で坪単価は68万円、シンプルな外観やスロープ空間があるので、こだわりの仕上げ材や豊富な収納棚やキッチンなどを加えても、比較的安価な坪単価に抑えられているようです。

今回の住まい 神奈川県逗子市・竹内邸−逗子の山景色を戴く家 は、裏山の景色を最大限に取り入れたLDK空間が印象的でした。
スロープに横長窓を組み合わせて、裏山の緑の景色をたっぷり効果的に取り入れていました。
加えてダイニングの大窓からは、緑豊かな周囲の景色も楽しめ、開放感のある2階部分を生み出していたのです。

プライベートな1階部分は使いやすさを重視、独立クローゼットと水廻りを近づけるなど独自のプランが目立ちましたが、これは好き嫌いがあるかもしれません。
とはいえ積極的に2階のLDKを活用するプランは、景色が良い敷地に建てる住まいだけでなく、明るさをたっぷり取り入れやすくなる都会の住まいづくりの参考にも出来る住宅だったといえそうです。

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