住まいづくり研究室、タイトル画像

四隅から明かりを採る家

渡辺篤史の建もの探訪のデザインやアイデアを活用

住まいづくり研究室

建もの探訪のデザインやアイデアを活用


壁が双曲放物面を描く家


四隅から明かりを採る家


坂の上のピロティ式住宅



住宅新築のはじめに


住宅リフォームはじめに


家づくりの設計と現場


快適さと使いこなし


建物探訪のデザインや
アイデアを活用

テーマ別
住まいづくりのポイント


 

住まいづくり研究室では
一級建築士の管理人が
はじめての住宅取得する際
から上手に使いこなすまで
住宅つくりに役立つ情報を
豊富にわかりやすく紹介

建築家や工務店や
ハウスメーカー選びから
建材設備を選ぶポイント
メンテやインテリアまで
住まいの情報が満載です。

 

渡辺篤史の建もの探訪 東京都杉並区・中塚邸−四隅から明かりを採る家 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 四隅から明かりを採る家 は、共に建築士のご夫婦とお嬢さんで、3人家族の住まいです。
建物の外観はボックスタイプ、角地の出隅部分を切って上まで8mほど縦に続くガラスとした、特徴的なデザインです。
道路に近い建物の周囲は砂利敷き、点々と四角いコンクリート柱のプランターを立てて、デザインのアクセントを兼ねたクルマの接触防止としています。
車庫はパンチングメタル扉の折りたたみ式、扉は道路側のみで、対面には壁が無く風が通ります。
上部のコーナーには高さがかなりあるコーナーサッシ、光が遮られにくく外からの視線が少なくなる4隅に窓を採るプランのようです。
ポストがあるアプローチは建物を欠き込んだ部分にあり、トンネル状の通路を抜けて車庫スペースに通じます。
天井の半分ほどはグレーチングで、上のインナーテラスからの明かりが降り注ぎます。
車庫にはベンチも備わり、ちょっと落ち着ける空間でもありますが、クルマが入っていると微妙かもしれません。

その隣が玄関引き戸、グレーのシンプルモダンのデザインです。
玄関の左右の壁2面が収納、床は墨入りモルタル仕上げ。
正面にはシンプルにデザインされた、モダンデザインの階段が見えます。
玄関床の段差は少なく、上がった部分はグレー色、白い壁とモノトーンが基本。
そこに階段の木の板がモダンなアクセント、支える鉄骨や手摺はブラックです。

玄関の左手が、コーナー窓が印象的な洗面スペース。
木製カウンターにガラスの洗面器に正面は大きな鏡と、モダンな印象は変わりません。

一本でシンプルにつながる手摺付の階段を上がると、リビングダイニングキッチンの空間が広がります。
上がりきった部分が例の出隅の窓、見下げる形で道路が見通せます。
4隅から明かりが入る空間で、周囲の視線が気にならない変化に富んだ陽射しが印象的です。
キッチン床はグレーですが、4段ほど上がったリビングスペースの床は木です。
リビングの隣は明るいインナーテラス、たっぷりの陽射しがダイニングスペースまで届きます。

キッチンスペースは、かなり囲まれた空間です。
大きな開口から少し引っ込んだ位置にも壁があり、キッチンの奥はあまり見えません。
天井とは隙間があることで空間はつながりが感じられ、その壁の手前には小ぶりな収納があって、上部が飾り棚として使われています。
ダイニングスペースには、四角いシンプルなテーブルが置かれます。
家具は強調感が少ないもので統一しているようで、モダンなデザインのインテリアをより強調しています。

キッチンは長いワークトップまで白が基本、ガスコンロの正面に小窓が付く珍しい形。
インナーテラスに向かう為に、この位置を選んだようです。
キッチン背面は水廻りのようで、壁の上部はガラスで明かりを取り入れているようです。
その面の引っ込んだ部分に冷蔵庫、収納スペースはキッチン上下や奥の棚でまかなっています。

リビングスペースは明るい空間、インナーテラスに加えてコーナーサッシからの陽射しも入ります。
インナーテラスの窓は大きな天井まである1枚もの、サイドに開き戸付きとなります。
アイボリー色のソファーにスリガラスのテーブル、木のテレビ台とインテリアにあわせた家具で統一しています。
インナーテラスの壁も白、四角いプランターがグレーチングの床に一つだけ置かれた、モダンなテラスです。

キッチンの裏が、やはり脱衣室と浴室です。
棚付きの脱衣室はカーテンで仕切られ、浴室は階段下を活用したコンパクト空間。
浴槽の真上が階段ですが、ちょっと階段と近すぎる気もします。
四角の小窓にモダンなレインシャワー付き、壁や天井仕上げはFRP防水のようです。

廊下の先、数段上がった部分に縦長コーナーサッシがあり、明るい廊下です。
その先に3階に続く階段があり、冷暖房効果を高めるために扉付です。

3階はワークスペース、壁一面が本棚です。
合板製の造り付けの机に、ギターが置かれる、趣味の部屋とも言える空間です。
箱階段で数段上がる床もあり、その外には広い屋上テラスが広がります。
高めの手摺にネット付きで高い安全性を確保、バーベキューパーティーも出来る開放的な空間です。

1階に戻って、階段の突き当りが子供部屋。
縦長窓に子供キッチン付、ロフトもあって楽しい空間です。
地下に降りる階段は、降りきった部分にカーテン付。
コンクリート打ち放し階段床や壁が一部に覗いた、寝室空間です。
階段下のコンクリート打ち放し部分が、クロゼット兼納戸。
階段の蹴込み板をなくして、踏み板の隙間から光を取り入れています。


四隅から明かりを採る家 は、地上階:在来木造 地下階:RC造、敷地面積73㎡で建築面積39㎡、延べ床面積107㎡です。
地階は21㎡で1階は35㎡で2階は39㎡で3階は12㎡、3人家族として必要十分な広さを確保しています。
建築費は2700万円で坪単価は83万円、鉄筋コンクリート造の地下室に加えて、大窓やスキップフロアーなどを考えれば、比較的価格は抑えられているようです。
建て主が建築士なので、同業者価格なのかもしれません。

今回の住まい 東京都杉並区・中塚邸−四隅から明かりを採る家 は、4隅の窓で多様な光を取り入れている点が印象的でした。
道路面の縦長窓や隣地側のコーナー窓に、インナーテラスの大窓など、特徴のある陽射しを効果的に活用していました。
その窓を生かす位置に階段を配置、スキップフロアーも併用してより変化に富んだ空間としていました。

コンパクトな平面ながら4層にすることで必要な広さを確保、地下室の活用の点では、広さや仕上げを必要最小限とすることでコストとのバランスを取っていたようです。
浴室周りなどに多少の無理を感じる部分もありましたが、小さな平面を多層化することで楽しい変化を生み出す上手いデザインが印象に残る住まいだったといえそうです。

坂の上のピロティ式住宅 四隅から明かりを採る家 壁が双曲放物面を描く家

ページトップ

住まいづくり研究室
住まいづくり研究室 アイコン    「住まいづくり研究室」へのリンクは自由です、連絡も必要ありません。

copyright 2013-2016 kazu All Rights Reserved