渡辺篤史の建もの探訪 神奈川県横浜市・佐藤邸-のぼれる斜め本棚の家 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。
渡辺篤史の建もの探訪 のぼれる斜め本棚の家 は、ご夫婦お二人の為の住まいです。
建物の外観は、片側の外壁面が斜めになった、黒いボックスタイプ。
ステンレスの表札も建物と同じ形で合わせ、傾斜地にあるので擁壁を利用した半地下の駐車場も備わります。
斜め壁に沿ったアプローチはコンクリートの階段、途中にあるポストも建物の傾斜に合わせた斜め型。
玄関の奥には傾斜壁の下を利用した自転車置き場があり、玄関ドア部分はくりぬかれた斜め壁が庇を兼ねています。
黒い玄関ドアを入ると、室内は壁天井共に合板仕上げ。
床はモルタル土間でモルタルの式台付、上がった床分はフローリングとなります。
脇にはオープンなシューズクローゼットが備わり、玄関入った部分はすっきりまとめています。
玄関上がってすぐの棚には水槽が置かれ、各戸も合板仕上げです。
階段室は片側の壁がブラック塗装、脇の箱型が2階まで黒く塗られているようです。
手摺は丸いスチールのブラック塗装、上がり切った部分が天井が高いダイニングで、左手に斜め壁に沿った書棚が高くそびえます。
リビングスペースは数段上がった部分にあり、斜め壁の本棚も続きます。
天井はツーバイフォー的な垂木を現し、ダイニングテーブル脇の視線の高さの小さめの横長出窓は間接照明付で飾り棚風。
上部に大きな窓が備わり、明るさと空の景色はここから取り入れています。
キッチン部分は黒い壁で区切られ、上部はオープン。
中は合板仕上げで、ここにも横長窓と上部の窓が備わります。
こちらの横長出窓は間接照明と棚としても活用、ステンレスワークトップのキッチン手元を照らします。
高窓を生かすためか吊戸棚は無し、背面の収納棚とその奥のパントリーで収納スペースを増やしています。
6段上がったリビングには、合板製のテーブル付。
脚板を斜めとして外壁をイメージさせています。
本棚の底板も斜めとなっているので、水平が必要な部分には斜めの台を挿入して使うようです。
本棚には登れる強度を持たせて出っ張り部分を大きくすることで、登って本を取るアイデア本棚となります。
リビングからは、高窓の景色が視線の高さで見え、キッチン上部のブラック壁に面して机が備わります。
中庭バルコニーに面して窓が備わり、明るさや通風を確保。
ソファーベッドが窓の隣に置かれ、陽射しの中でうたた寝ができます。
中庭は3面がすべて窓、1面が格子を介して外に面しています。
中庭向かいは予備室、将来の子供部屋でクローゼット前室と机付のコンパクトな空間です。
隣がトイレ、四角い小窓に合板仕上げと統一感のある造りとなります。
1階に戻って、キッチン下が床下収納。
玄関正面が水廻りで、トイレ付きの壁付き洗面器付きの細長い洗面所には、収納と洗濯機置き場が備わります。
浴室は広めのユニットバス、ジェットバス付です。
玄関右側が寝室、斜め壁があるコンパクト空間ですが、ウォークインクローゼットがしっかり備わります。
四角い小窓が二つ、ベッドの上では斜め壁にもたれて読書が可能です。
2階と思ったダイニングキッチン部分は、法的には1階扱いのようです。
のぼれる斜め本棚の家 は、木造一部鉄筋コンクリート造、敷地面積106㎡で建築面積60㎡、延べ床面積86㎡です。
1階は51㎡で2階は28㎡、2人家族としては十分ながら将来家族が増えると少しコンパクトでしょうか、とはいえ天井の高いオープンな空間を生み出しています。
建築費は2240万円で坪単価は86万円、駐車場を兼ねる擁壁やこだわりの形を考えると、シンプルな仕上げながら高めの坪単価となるのは仕方のないところでしょ
う。
今回の住まい 神奈川県横浜市・佐藤邸-のぼれる斜め本棚の家 は、斜めの壁と高い天井を生かした楽しい開放空間が印象的でした。
本棚壁を斜めとして、インパクトのある外観と共に高くても使いやすい本棚を実現。
プライバシーを確保しつつ外の景色が楽しめる窓の取り方も絶妙で、スキップフロアの高さを上手く生かしていたようです。
コストがかかり使いにくそうな斜めの壁をうまく生かしたアイデア本棚がポイントの、印象に残るモダンデザインの住まいだったといえそうです。
