劇的！ビフォーアフター 物件１７１ 縁側が脱衣室の家 で出てきたアイデアをチェックしましょう。
今回は、京町家の作りということですが、本来の京町家よりは周囲に余裕がある状態となっています。
浴室部分を無理に増築しているので、外部を通じて出入りするような状態です。
勝手口から出入したり隙間が多い建具や弱くなった床など、改修すべき点が盛り沢山の住まいです。
面積的には十分ありますが、予算が若干少なめなので、要点を踏まえたリフォームが必要となりそうです。
今回は浴室部分を重機で豪快に解体です。
解体が終わって、構造部分の弱さと基礎にレンガが見られます。
幸い柱や梁は健在でした。
コンクリート基礎を追加、木の土台と金物で緊結して補強、うまいやり方ですね。
屋根は昔の土で固めた瓦屋根を撤去して、現代の瓦屋根で葺き直しです。
土がなくなった分屋根が軽くなるので、地震に対して有利となります
多孔質な既存の瓦は割って床下に敷き詰め、調湿効果を期待です。
屋根の一部をガラスの瓦として小屋裏に太陽の熱を貯め、パイプを使って床下に暖気を貯めて暖房に活用です。
ＯＭソーラーと呼ばれる暖房方式と同じ原理で、冬の暖房費を抑えることが出来ます。
京町家らしい通り庭が復活して、床を涼しさや温かみを感じられる三和土で仕上げました。
通気にも活用できて、京町家独自の良さも復活です。
２階には二人の子供部屋が出来て、備え付けの机とベッドも出来ました。
ベッドの下は収納で、２つに仕切られたリバーシブルの引き出し式で、ナイスアイデア。
奥行きの深さを活用して、リバーシブルで両面使える収納を設置しました。
テーブルとなる収納部分も良いアイデアで、他の住まいでも活用できそうです。
さらにロフトもついて、将来の成長に備えます。
外見は町家風な木の格子をつけて、格子の玄関引き戸共々和風の演出です。
玄関から通り庭で中庭までつながり、住まい全体の空気を循環させる吹き抜けともなります。
その中庭は駐車スペースとなり、すぐ脇の勝手口から通り庭につながります。
下駄箱は網代（薄い板を編んだもの）で仕上、廃材利用の上がりかまちと共に和風を強調です。
下駄箱脇には洗面所と浴室が出来て、快適に使えます。
トイレも反対側に取り付き、現代的な水廻りとなりました。
１階の床の間付き和室は、現代風にリフォーム。
掘りごたつ付きで、坪庭も現代風に復活です。
坪庭では昔の鬼瓦をワンポイントに使っています。
ダイニングキッチンとつながって、広がりのある空間を確保しました。
そのダイニングキッチンは専用設計で、比較的コンパクトながら使いやすくまとめられています。
天板を外せるダイニングテーブルの一部分が和室の座卓に早変わり、ちょっと微妙な作りですが、面白いアイデアといえます。
２階にもトイレが付き、広い寝室には書斎スペースと模型の展示棚が付きました。
広いウォークインクローゼットは、納戸としても活用できます。
劇的！ビフォーアフター 物件１７１ 縁側が脱衣室の家 では、和風のリフォームのポイントと沢山のアイデア収納が見所でした。
和風のデザインを活用しつつ、現代的な使いやすさを加えています。
ＯＭソーラー風の暖房は、天気によって暖かさが大きく変わるので、普通の暖房機器も必要です。
予算が少なめだったものの、骨組みがしっかりしていたので、かなり細かい部分まで予算を振り分けられたようです。
丈夫そうな柱などを見ると、昔の作りがしっかりした住まいのリフォームは、新しく作るよりも効果的なことが分かるリフォームの好例といえるでしょう。
床が弱っていても、柱や梁や床の間廻りの材料については、現在使用されている木材よりも上質で丈夫な場合が少なくないのです。
