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庭との一体感 分棟式の平屋

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渡辺篤史の建もの探訪 茨城県鹿嶋市・笹沼邸-庭との一体感 分棟式の平屋 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 庭との一体感 分棟式の平屋 は、ご夫婦とお子さん二人、4人家族の住まいです。
建物の外観は、道路側のコンクリート擁壁の上に建つ水平を強調したフラットデザインが印象的。
インターホンはアプローチのスロープ手前にあり、そのアプローチ空間には黒く塗られた柱梁にシルバー屋根が載ります。
周囲は緑豊かな、隙間の多い住宅地のようです。
アプローチ横の長く続く駐車スペースはコンクリート床で、1.5台分ほどの長さに庭の延長となるデッキスペースを兼ねる屋根が載ります。
正面から見るとシンプルな平屋に見えるものの、メインとなるLDK棟を含めて水廻りと寝室と子供室の4棟による構成。
アプローチと駐車場屋根を含めると、6棟の組み合わせで成り立っているようです。

駐車場屋根と擁壁の隙間から見える庭には、クラピアと呼ばれる生命力が強い草を一面に敷き詰めています。
アプローチとなるスロープの正面は、水廻り棟の白い壁。
右手が木の板を貼った壁の玄関・LDK棟となります。
玄関ドアも木製、ポーチ横の黒い塀の隙間からも、庭が見えます。
広い庭の奥には駐車場上のウッドデッキ、上がる階段の脇には滑り台もあり、ウッドデッキの手摺には網を張って転落防止としています。
道路に面する庭の部分は先が見えない塀で囲み、プライバシーを確保。
ウッドデッキの先には寝室棟前にも段差を付けたウッドデッキがつながり、LDK棟の木製大窓の前にはハンモックも備わります。

玄関に入ると床は土間コンクリート、その先にはタイルの床が縁側のように続きます。
右手が庭に面した大型木製窓、左手がLDK空間です。
その玄関にはシューメーカーチェアが置かれ、座って靴を脱ぐことが可能。
縁側とLDKを仕切る縦格子は冷暖房器具、輻射熱式の高価な製品です。

シックな色の木床のLDK空間には、反対側にも庭があります。
こちらの庭は寄せ木床に少し高い位置の植栽部分と、目隠しの木製ルーバーを組み合わせた専用の中庭空間にはソファーも置かれます。
リビングスペースの壁には大型テレビ、上下に収納が付きます。
両側の木製大窓はすべて引込式、すべてを開くと非常に開放的です。
大きなソファーに天井も高くデザイン照明も配された、広いこだわりのLDK空間。
ダイニングはライティングバーから釣り下がる電球3つ、その下にシックなカラーのダイニングテーブルが置かれます。

庭に面した黒い壁の棟が子供室棟、木床に合板の壁と天井でシンプルにまとめています。
外側の窓は高窓として通風とプライバシーを確保、床の一部には畳が置かれています。
こちらも庭側には縁側的なタイル床部分があり、将来はここが廊下、他を2つに仕切って使うのでしょう。
子供室には、タイル床のキッチンからつながります。

縁側を含めてアイランド型となるキッチンは、広いステンレスワークトップがカウンターを兼ねるタイプ。
広いシンクに本格的なガスコンロが備わり、ステンレスのレンジフードでモダンにまとめています。
背面の収納カウンターは木製で、対面のテレビ収納と同じカラーを採用。
脇にはブラックの大型冷蔵庫が置かれ、縁側空間と同じタイル床のキッチン空間からはLD空間と2つの庭が見渡せます。

冷蔵庫の右手には勝手口があり、その右手がブラックの外壁の寝室棟となります。
入り口にウォークインクローゼット、その先がLDと同じ床仕上げの寝室です。
壁の正面がダークグレー、他は傾斜天井も含めてアースカラーの落ち着いた空間。
広い空間で入り口側の壁には棚や机が置かれ、横の壁にはギターが飾られています。
窓はウッドデッキのある庭側に大窓、他は高窓の小窓と子供室と同じまとめ方。
庭の先には森も見える、景色のいい空間です。

リビングの裏が納戸で、合板仕上げの空間。
奥には机も備わり、書斎としても機能するようです。
隣の水廻り棟は廊下の突当りがトイレ、床と壁がタイル張りで腰ラインをモザイクタイルとしてアクセント。
タンクレストイレにコンパクト手洗付きで、上部の横長高窓から光が入ります。

隣の洗面所も同じタイル仕上げ、洗面カウンターも腰モザイクタイルと同じ仕上げで作っています。
背面に掃き出し窓付で、裏庭の先には森が見え、プライバシー確保のためのロールブラインド付。
隣の浴室はシステムバス、中庭と裏庭に面する2つの大き目の窓付で、こちらはブラインドでプライバシーを確保。
風通しと開放感はあるものの、洗面所の仕上げと合わせずに既製品を使ったところは少し残念なところでしょうか。


庭との一体感 分棟式の平屋 は、木造在来工法、敷地面積398㎡で建築面積137㎡、延べ床面積120㎡です。
1階のみの120㎡、4人家族としては標準的かやや広いくらいながら、分棟式の割り切った余裕のある空間を生み出しています。
建築費は不明ですが、分棟式で庭まで含めた空間造りや木製大型窓や、高級な仕上げや設備を考えると、木造とはいえかなり高くなりそうです。

今回の住まい 茨城県鹿嶋市・笹沼邸-庭との一体感 分棟式の平屋 は、広い敷地を生かした分棟型の開放的な空間が印象的でした。
広いLDKを中心に機能ごとに分棟化、空いた部分を庭として、明るさや通風の良さをすべての部屋で実現。
タイル床の縁側を利用して、動線と空間の変化を確保しつつ、つながりも生み出していました。
広い高低差付の敷地という少数派の条件ながら、周囲の景色の取り入れ方を含めてうまく活用してまとめた、郊外の分棟型のお手本となる住まいだったといえそうです。

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