劇的!ビフォーアフター 物件154 カニ歩きで入る家 で出てきたアイデアをチェックしましょう。
今回は2時間のスペシャルにふさわしく、ボクシング世界チャンピオン 内藤大助さんの奥さんの実家をリフォームです。
店舗付で建坪8坪の狭さの上、入り口までの通路が40cmと相当狭い状況です。
かなり難しい物件なので、予算が豊富な1800万円とはいえ、リフォームの腕が試されます。
解体が終わると、外壁に重いセメント板が張ってありました。
耐火のためですが、地震で剥がれる危険があります。
木材や基礎部分にも劣化が見られ、補強が必要な状態です。
今回は基礎部分を拭き付けモルタルで補強です。
STO乾式拭き付け工法というらしいですが、はじめてみました。
補強繊維も入っているようなので、かなり確実な補強となりそうです。
外壁の危険なセメント板は、アスファルト防水を利用して柱に固定、面白いアイデアですね。
確かにアスファルト防水はセメントと相性がいいので、しっかり固定できそうです。
防水性能も上げることが出来るので、一石二鳥ですね。
入り口周りは鉄骨で補強、傷んだ柱を外して、強度の高い鉄骨で補強しています。
あとは梁を補強して、構造面はしっかり補強できました。
今回は堅実な補強方法に加えて、アイデア補強も加わり、安心と関心しながら見ていられました。
断熱材は発泡ウレタン、隙間が極めて少ない工法なのでリフォーム向きです。
ただコストは高目となりますし、カットした余計な材料はリサイクルする必要があります。
今度はコンクリートの土間に直接合板を立て、片方に防水シートを張って外壁に、片方にセメントボードを張りました。
店舗の脇に玄関スペースを新設です。
しかしこの作りは耐久性の面で、かなり不安があります。
濡れにくいとはいえ、足元に湿気がたまり、腐る可能性大です。
店舗の部分はリフォーム前と同様にステンレス板仕上が基本です。
厨房機器は再利用、玄関スペースは準不燃加工をした木材で仕上ます。
燃えにくいだけでなく、耐久性も上がるので効果はあります。
店舗の隣なので必要なことではありますが、木材本来の使い方ではないですね。
玄関扉にも無垢の木材を使用します。
玄関通路部分を、店舗の待合ベンチとしても利用です。
無駄を省いた店舗に、新しい機能を追加するナイスアイデアです。
昔の狭い通路はゴミの移動に利用です。
鉄骨で作ったワゴンとスロープ設置で、ゴミ出しが相当楽になるので、いいアイデアといえますね。
ただ玄関通路との開口部分の作りは、耐久性が微妙かもしれません。
生活部分は、床から壁まで松材、質感や自然素材の利用はいいですね。
ただ壁については、色が濃くなると ちょっときついかもしれません。
食台部分は軽く下げて、低いベンチで食事になります。
キッチンとの目線が中間的になる、ちょっと面白いバランスといえそうです。
食事を作るときの視線と、テーブルに座っている人を見る際の視線が近く、コミュニケーションが取りやすそうです。
ただ折りたたんでカウンターになる食台の脚が不安定そうなところは、かなり気になります。
食台の下げた部分にベンチを入れると、フラットな床になります。
ここに内藤夫婦が泊まることを考えた、独特ですがアイデア食卓といえますね。
四角い穴が連続的に開いているツインカーボの板に、孫が書いた絵を印刷した木の棒を差し込んで、大きな似顔絵が出来ました。
面白いアイデアですが、実際にやると、かなり大変でしょう。
光が入るので、建具にはめ込んで、やわらかい採光窓としても利用です。
外観には木を多用して、親しみやすさと新しさを与えています。
入り口上部には準不燃の木材を利用したお品書き兼収納を設置です。
ひよこの看板が可動式となり、商店街から目立つようになりました。
電動式の日よけも設置、電動シャッターと相まって、使いやすさが格段に向上です。
玄関の長いアプローチは、フォトギャラリーとして活用です。
ただ2つの段差部分が見えにくいので、色を変えるような配慮は欲しかったですね。
玄関には下足入れや収納を設置、さらに店舗が見える休憩スペースとしても利用。
2つの機能を持たせて、狭さを上手く克服しています。
店の近くにトイレを設置、さらに浴室から洗面所まで1階に集約しています。
天窓付で、明るさも確保しています。
浴室には定番ともいえる、浴室乾燥機付です。
浴室窓のプランターも小技が効いていますね。
2階は対面式キッチンを含めて、ワンルームスペース。
トップライトで、部屋の真ん中でも明るさを確保、夏の暑さは心配ですが、ここではそれ以上に快適さがありそうです。
階段上は引き出し式の収納として利用です。
それに続く収納には、ドレッサーも付いています。
物干しベランダも木板で一新、メンテナンスは必要ですが、安心できるスペースになりました。
タタミスペースは全面床下収納です。
壁にはクローゼット付、建具で仕切って寝室となります。
障子はスライド機構付で、通風と日差しの調整を実現しています。
テレビ台は専用の形状で転倒防止のバンド付。
アイデアはいいのですが、テレビが変わると台まで変える必要も出てきそうです。
今回のリフォームは、機能の集約と木の効果的な使い方がポイントといえそうです。
幸い2人の為のスペースだったので、2階の生活空間をワンルームに出来た点が使いやすさに効果を発揮しています。
店舗と住まいに必要とされる機能をしっかり読み取って、最適に再配置してまとめたという印象を受けます。
木材を沢山使用しているために、頻繁なメンテナンスが必要となります。
しかし、逆にそれが住まいに手をかけるきっかけともなりそうな、いい住まいに仕上がっているようですね。