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渡辺篤史の建もの探訪 埼玉県所沢市・シュナッケンベルグ邸−森と光と芸術を楽しむ家 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 森と光と芸術を楽しむ家 は、ドイツ人で科学者の旦那さんと日本人で日本画家の奥さんの夫婦2人の為の住まいです。
建物の外観は、全体的には落ち着いた印象ながら変形した部分もある絶妙なバランス感覚が特徴です。
玄関ポーチの隣には枕木を敷き詰めた来客用の車寄せがあり、間に植えられた芝生が馴染んでいます。
庭は細い道を中心に樹木が茂る、散策路のある森のようなイメージでまとめています。

玄関周りは木板の仕上げ、木製の玄関ドアに取り付くちょっとアンティーク調の金物が落ち着いた印象を強めているようです。
床はレンガ敷きで、玄関内部まで続きます。

玄関に入ると、正面の壁に奥さんの描いた絵が飾られています。
左側に姿見の鏡があり、右側に収納と手摺を兼ねた飾り棚が備わります。

白木調の戸の先には、リビングスペースが広がります。
グランドピアノと薪ストーブが備わる広いリビングスペースは、壁の一部が斜めになってちょっとした変化が加わります。
大きな木製窓に薪ストーブ廻りの黒い壁など、落ち着いた雰囲気の中にもこだわりとセンスが伺えます。
薪ストーブの先はダイニングスペースで、その奥にはコンクリート製の階段が目に入ります。

グランドピアノ横の四角いピクチャーウインドウには、樽を再利用して作ったオブジェが置かれます。
イサムノグチのテーブルにアンティークの木製ベンチなど、インテリアにも上品なセンスが感じられます。

そのベンチに座ると、小上がりの和室が正面に見えます。
3畳ほどのスペースで、壁が斜めで畳の床の間と茶器が見られ、茶室としての機能も兼ねています。
障子の斜め格子や市松模様の襖など、モダンな和室の仕上がりです。
入り口の戸は引き込み式で、引き込んだ戸を隠す板のカバー付きです。
板戸とヨシズ戸の2種類の戸が備わり、使い勝手の幅を広げています。

ダイニングテーブルは、センの木で作ったしっかりしたものです。
ダイニングとリビングは、大きな2枚の引き込み戸で仕切ることも出来ます。
階段が付く壁はコンクリート製で、キャンチレバーで段板を持ち出したスッキリした階段です。
手摺を壁側に取り付けることでコンクリートのキャンチレバーを強調していますが、安全面では微妙かもしれません。

リビングダイニングのスペースから左奥がキッチンスペース。
奥にすることで視線を遮り、家事に集中できます。
L字型のキッチンに作業テーブルを加え、コの字型にして使いやすさを高めています。
流しの正面の窓もL字型で、さらに吊り戸棚の上からも陽射しが入ります。

キッチンの前とリビングの斜めの壁に囲まれる部分がウッドテラス。
出るのはリビングからですが、キッチンからも眺めることが出来ます。
リビングダイニングの大窓にはよろい戸が備わり、強すぎる陽射しを抑えることも出来ます。

2階に上がる天井には3角形の天窓が備わり、光と景色のアクセントとしています。
階段を上がりきった正面が水廻り、洗面所と浴室はガラスで仕切られるモダンで明るいデザインです。
浴室には隣地の森に面して大きな窓が備わり、景色と明るさを楽しめます。

大きめでクラシカルな洗面台を採用、壁の奥まった部分に鏡を設置することで手前の部分を物置台としています。
さらに壁の上部にも電動で開閉できる窓を付け、明るさと通風を確保しています。

奥に進むと奥さんのアトリエスペース、製作中の大作があります。
上部からは光が入りますが壁の開口部分は減らして、適度に直射日光を抑えています。
ベランダに出られる木製窓もあり、動きも感じられる空間となっているようです。

そのベランダ横の通路を進むと、棚と流しが備わる空間に通じます。
壁一面に絵の具の瓶が並び、作業カウンターも備わります。
コーナにあるL字型の縦長窓からは、隣地の緑も楽しめます。

通路の隣が物置部屋で、その上にあるハシゴで登るロフトスペースがご主人のスペース。
隠れ家的な、落ち着く空間です。
製作中の奥さんの絵が飾られている扉の奥も、収納スペースです。

2階の階段の反対側が寝室、L字型の出窓は幾分小さめで、隣の建物が見えるので窓の大きさを抑えているようです。
壁一面のクローゼットも備わります。


森と光と芸術を楽しむ家 は、木造一部RC造、敷地面積155㎡で建築面積65㎡、延べ床面積117㎡です。
1階は62㎡で2階は55㎡、アトリエを兼ねるとはいえ、二人の住まいとしては十分な面積を確保しています。
オープンな空間で斜めの壁を多用することで、実際以上の広さが感じられます。
建築費は不明ですが、RC壁や木製大窓、斜めの壁やこだわりの仕上げ材や水廻りなどを考えると、かなり高めのコストが予想されます。

今回の住まい 埼玉県所沢市・シュナッケンベルグ邸−森と光と芸術を楽しむ家 は、開放的な空間に斜めの壁やコの字型の平面を加えた点が特徴でした。
斜めの壁で空間に動きや奥行きを加え、コの字型の平面で適度な目隠し効果が得られていました。

コンクリートの壁や大きな木製サッシ、アイデア豊富な窓の配置など、住まいの明るさや楽しさを高める工夫にも注目すべき部分がたくさん見られました。
アトリエスペースを子供部屋に変えれば、一般的な家庭でもそのまま使えそうな印象もあります。
森に囲まれた敷地はちょっと特別ですが、開放感や景色を取り込むアイデアや細かい部分までこだわった建具など、参考に出来る住まいだったといえそうです。

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