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渡辺篤史の建もの探訪 東京都八王子市・船橋邸-古くて新しい木組みの家 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 東京都八王子市・船橋邸-古くて新しい木組みの家 は、60代の夫婦 2人の為の住まいです。
外観は柱や梁を見せた、木製雨戸付きの和風デザインの住まいです。
深い庇や渡りアゴを使用した梁など、和の要素がたっぷり感じられます。
敷地と道路を区切る木製のフェンスには焼き杉を使用しています。

建物の足元は、コンクリートの平らな基礎の上に、柱を素立ちさせ、床下を高くして縁の下も実現。
コンクリート上の土台を省略した、木造の伝統工法と現在の耐震基準を両立した構造を採用しています。

玄関の戸は網代のように組んだ格子戸で、玄関の段差は少ないのですが、側面に奥行きのある式台が備わります。
和風デザインの玄関収納は、その式台の上に置かれます。
和紙で作られた照明も合わせて、和風のデザインで統一されています。

壁の仕上げは珪藻土、柱や梁が見え、さらに天井の仕上げを省略して木の床を見せた仕上げです。
梁と柱のつなぎ目には込み栓が見られ、釘を使っていない工法ということです。
さすがに基礎と柱を繋ぐアンカーボルトは使用されていましたが、金物をできるだけ排除して、伝統的な木造建築を実現しています。

玄関を上がった床には畳が敷かれ、家族や来客を優しく出迎えてくれます。
ちょっとした用件なら、玄関で済ませられる便利さもあります。

リビングは板の間で、大きな吹き抜けのある開放的な空間です。
追っかけ大栓継ぎや小屋貫といった木の作りがはっきり見える、構造となる木や職人技を見せるデザインを採用しています。
床はやわらかい杉の板、8寸(24cm)角の大黒柱もありますが、1階で止まり梁を下支えする作りです。

収納と階段で仕切られるかたちのダイニングキッチンは、リビングと空間的にはつながっていて、吹き抜け空間も共有しています。
2人の為のコンパクトな食台が備わり小さめのスペースですが、キッチンスペースはしっかり確保しています。
使いやすい適度な広さを備えた、開放感と流しを見せないことを両立したキッチンスペースです。
高窓や吹き抜けで、明るい空間としているところも特徴といえます。

キッチンの奥は食品棚付きの廊下に勝手口が付き、水廻りにつながります。
木の扉があるトイレがあり、洗面所には大きなシステム洗面化粧台が備わります。
浴室は3枚引き戸のシステムバス、大理石風の壁仕上げで、洋風な広い浴室となります。
水廻りは無理に和風にこだわらず、使いやすさや掃除のしやすさを優先しています。

その廊下は玄関に通じていて、玄関を介してリビングの反対側には、仏間と床の間付きの和室があります。
床の間には少し焼いたグレーの木の板を使用、壁は灰汁で竹を表現する工夫を取り入れた独自の仕上げです。
地窓の障子には、竹を縦に切って格子として利用した建具を採用、こだわりの強い床の間としてまとめています。
玄関の畳床ともつながる畳の部屋で、障子の格子のデザインも部屋によって使い分けています。
窓には雪見障子が付き、庭の景色とプライバシーを両立しています。

桧で出来たゆっくりした階段を上がると、吹き抜けの木組みが上から眺められます。
玄関の上が書斎で、障子を介してリビングとつながり、小屋の木組みも見ることができます。

1階の和室の上が寝室となり、洗面スペースやトイレもあります。
長い貫が走る独特の天井で、L字につながるバルコニーと深い庇で、陽射しを適度に遮っています。
洗濯物を干しやすく、さらに吹き抜けの窓を拭くための通路もあります。
広い納戸兼クローゼットも備わります。


東京都八王子市・船橋邸-古くて新しい木組みの家は、木造伝統工法の2階建て、敷地面積216㎡で建築面積100㎡、延べ床面積113㎡と余裕を感じさせる適度な広さの住まいです。
1階は74㎡、2階は40㎡で、建築費は2790万円で坪単価は81万円です。
請った作りの割には坪単価はそこそこ抑えられているのは、無駄な作りが少ない為でしょう。
夫婦2人の住まいとしてはたっぷりした広さがあり、木を生かした開放的な空間を作り出しています。

今回の住まい 東京都八王子市・船橋邸-古くて新しい木組みの家 は、日本古来の釘を使わない伝統工法を現在要求される地震に対する強さを備えた住宅として実現している点が大きなポイントです。
職人気質の大工さんと設計者の、和風住宅に対するがこだわりが強く感じられました。

便利な収納などパッと見で目立つ部分は無いものの、じっくり見れば伝わってくる真面目な作りが特徴といえるでしょう。
最近では、伝統工法にこだわる設計者や工務店も生まれています。
そこで住まいづくりの古いながら新しい手法として、日本の伝統工法は今後に期待の作り方なのです。

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