何世代も住める長寿命住宅のために、丈夫な基礎と骨組みとするポイントを見ていきましょう。
まず、住まいの基礎を丈夫に作る必要があります。
木造であっても鉄骨造であっても鉄筋コンクリート造であっても、しっかりした基礎を作ることが住まいを丈夫で長持ちさせる基本なのです。
基礎だけでなく、地盤がしっかりしていることも重要です。
どんなに基礎をしっかり作っても、地盤が変形すれば住まい全体がゆがんでしまいますし、地震などにも弱くなります。
地盤が悪い敷地の場合は地盤改良などを行い、しっかりした地盤とすることが大切なのです。
基礎を長持ちさせるポイントは、長持ちする耐久性の高いコンクリートを使用することです。
住まいを長持ちさせるには、作りかえが難しい基礎部分は住宅の寿命と同等以上の耐久性が要求されます。
そこで、100年から200年ほどの耐久性を持つコンクリートを使うことが大切なのです。
一般的なコンクリートは60年ほどの耐久性なので、より耐久性の高いコンクリートを使う必要があります。
薬剤などを使ってコンクリートを若返らせる方法もありますが、今から長寿命の住まいを作るのであれば、コンクリート自体に耐久性の高い製品を使うべきでしょう。
骨組み部分の耐久性については、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造(RC造)の3種類の構造では、各々ポイントが違ってきます。
まず鉄筋コンクリート造(RC造)の骨組みを採用する場合は、基礎同様に耐久性の高いコンクリートを使用することが基本です。
コンクリートの表面を保護する効果がある左官などで仕上げる場合でも、コンクリート自体の耐久性が高いことが大切なのです。
鉄骨造の場合はちょっと難しくなります。
鉄の錆によって強度が落ちるので、鉄骨造の骨組みは錆を防ぐことが一番のポイントとなるでしょう。
一般的な防錆塗装では とても100年は持たないので、亜鉛メッキが必須でしょう。
薄い鉄板の鉄骨造は錆が発生すると早い時期に強度が落ちてしまうので、厚い鉄板の鉄骨造とすることが重要です。
鉄骨部分が結露したり、雨漏れで濡れたりすると錆びやすくなります。
鉄骨造は高温多湿の日本では錆の問題が大きいので、長寿命の住まいにはあまり適さない構造なのです。
木造については、現存している古民家を見ると200年住宅も夢ではありません。
現実的に200年残っているので、実現性が高い構造ともいえるのです。
しかし現在の木造住宅には、通気性の悪さと金物を多用しているという弱点があります。
さらに柱や梁の太さが小さいので、耐久性の面で見ると古民家のようにはいきません。
そこで木造住宅を長寿命化するポイントは、骨組み部分の通気性を確保して木材を乾燥状態に保つことと、使用する金物を出来るだけ減らしたり、金物の結露を防ぐことです。
また柱や梁材を通常より太くすることも、長寿命住宅には欠かせません。
柱が太くなれば、柱が室内に現れて乾燥しやすくなる効果もあります。
何世代も住める長寿命住宅を実現できるのは、木造か鉄筋コンクリート造(RC造)のどちらかを選ぶべきです。
鉄筋コンクリート造は比較的簡単に長寿命の住まいに出来ますが、木造を長寿命とする場合は的確な設計と工事が必要となります。