インテリアを上手に使った部屋作りの為に、家具選びはインテリアデザイン上でも機能の上でも大切なポイントです。
家具はインテリアの中では一番大きな物であることが多く、一番触れる機会が多い物でもあるので、特に目立ちますし気になる部分なのです。
インテリアとしての家具を考える場合、家具のデザインを選ぶ事と同じくらい、部屋の中における家具の配置が大切となります。
動きが多い通路などに置く家具は、人一人が動くことが出来るだけでなく、人がすれ違うことも考える必要があります。
(一人が普通に通るスペースとしては60cm程度、すれ違う場合には110cmくらい必要です)
家具を置いた状態で、人が通れるスペースを確保しなければなりません。
特にリビングからダイニング、ソファーの出入口などは、人の動きが多いので要注意です。
またキッチンの入り口は荷物を持って入ることが多いので、一人が通る場合より広めにスペースを確保しましょう。
また収納家具については、扉を開けた状態における収納する動作についても、考慮する必要があります。
頻繁に使う家具が使いにくいと非常に不便に感じるので、他のあまり使わない家具のスペースを多少狭くしてでも、頻繁に使う家具の廻りには空間を確保しましょう。
スムーズに収納する為には、家具の扉や引出しを開けた状態で、さらに60cm程度のスペースが必要です。
扉や引出しについては、高さも使いやすさに大きな関係があります。
上部の引出しは中に入っている物が見えにくくなるので、使う家族の身長等も考えた上で、家具を選ぶことが大切です。
また背の高さに応じた収納部分の使い分けなど、使い方にも工夫が必要です。
足元の大きな開き扉は開きにくいので、小さい扉の家具や引出タイプの方が使い易い場合もあるのです。
動きと共に、視線や見た目も考える必要があります。
居間では食堂やキッチンと向かい合うか、背にするかで印象が大きく変わってしまいます。
図を書いて家具の配置を検討する場合は、落ち着いて座ったりした時の視線の向きを図の中に書いてみると見え方を想像しやすくなります。
たくさんの家具を部屋に持ち込む場合、家具は出来るだけ1面の壁に集中させることで空間が広くすっきりした印象の部屋になります。
家具を揃える場合、同じ壁に並べる家具は出来るだけ同じ高さ・デザイン・色で揃えましょう。
低めの家具の高さや色がばらばらな場合には、一番高い家具に合わせて天板を載せるだけでもすっきり見えます。
同じ色の家具が手に入らない場合は、似たような色を選ぶよりも、はっきり違う色を選んだほうがバランスが良くなる場合もあります。
特に1色べた塗りした家具の場合、似たような色だと並べた際に違いが強調されることもあるので、はっきり違う色の家具を選ぶことも考えましょう。
日に当てて色あせたノートと同じ色の新品のノートを並べると違いが目立ちますが、まったく色の違うノートなら、並べても片方の古さがあまり目立たないことと同じです。
逆に木目や曖昧な色の場合は色合いが多少違っても違和感を感じにくいので、同系の色でツヤや質感(材質)が同じような家具を選びましょう。
家具には色々なデザイン−スタイルがありますが、基本は1部屋1スタイルです。
(インテリアスタイルについては別項を参照下さい)
それでは物足りない場合は、1壁面に1スタイルまでが無難でしょう。
違ったスタイルを一緒に置いて上手くまとめるには、相当なインテリアセンスが必要です。
大きな家具はスタイルを統一して、小物でインテリアに変化をつけたほうが、部屋全体のデザインをまとめ易くなります。