健康的に住む為に注意することの中で、ホルムアルデヒドについてまとめてみました。
ホルムアルデヒドは、シックハウスの原因となる物質の中でも第一に挙げられる有害化学物質です。
日本での規制は 室内濃度指針値0.08ppm です。
濃度としてはかなり低いものなので、住まいの中で建材の一箇所でもホルムアルデヒドを沢山含んだ材料を使ってしまうと一気に濃度が基準値を超えてしまうので、細心の注意が必要となるのです。
ホルムアルデヒドは合板 パーティクルボード 壁紙 接着剤といったものに含まれていますが、現在では建材に関しては規制が厳しく、日本メーカーの製品や正規に輸入される製品では対策品済みとなっています。
また建築確認申請時に材料をチェックし、有効な換気をすることになっている為、完了検査を受けた建物ではます問題は起きないでしょう。
現在の住宅で使用される建材は、ほとんどがフォースター(Fの文字に星が四つ並んでいる記号)の記号がついているので、問題が起きにくくなっているのです。
問題となるのは完了検査が必要ない場所に立てる場合と、部屋に持ち込む家具などに含まれる場合です。
またすでに化学物質過敏症になってしまっている人にとっては、0.08ppmの室内濃度でも症状が発症してしまうので、ほとんどゼロに近い濃度まで下げることが必要になります。
そこで対策としては、完了検査が必要ない場所の場合に建てる場合でも、検査が必要な場合と同等の材料を使うことを設計者に確認して住まいを作ることです。
また部屋に持ち込む家具については、家具の販売店にホルムアルデヒド対策品か否かを確認するか、匂いが気にならなくなるまで部屋の換気を多めに行ったり、夏場にベークアウト(部屋に居ない時間に室内を暑くして、ホルムアルデヒドを蒸発させ、その直後にしっかり換気を行うこと)したりします。
既に化学物質過敏症になってしまっている人が住む住宅は通常の設計者では対処が難しいので、特にシックハウスに詳しい設計者を探した方が良いでしょう。
規制濃度値の10分の1以下で発症してしまう場合も多く、法的には規制対象外とされている無垢材等に含まれる有機成分にすら反応して発症してしまうこともあるので、対処が非常に困難なのです。
さらに発症する有機化合物には個人差があるので、住宅に使用する材料全てをチェックする必要があります。
中古住宅の場合には、気密住宅か否かを確認する必要があります。
通常の住宅では、新築後に数年経つと夏季の暑さで有機化合物は発散してしまい、濃度が低くなっていると思われます。
しかし気密住宅で換気をあまり行わない住宅の場合には、まだホルムアルデヒドの濃度が高い状態で残っている可能性もあります。
もともと、最近出来たシックハウス対策において24時間有効な換気設備を設置することを義務付けた原因としては、気密住宅が増えて 有効な換気が取れなくなってきたことが主な原因なのです。
(気密住宅でない普通の作りの住宅は隙間風が多く、換気扇などの機械換気に頼らなくても、自然な隙間風で今の法的に必要とされる換気量程度の換気が出来ていたのです。)
ホルムアルデヒドの室内濃度を測定する場合には、その部屋で生活する場合の最高の温度条件で測定しましょう。
出来れば夏の一番気温が高い時期の、天気が良い日の昼にホルムアルデヒドの濃度を測定するのがベストです。
ホルムアルデヒドは温度が高くなると発散量が加速度的に増えるので、温度が高いときに測定することが、より現実的だからです。
エアコンで室内の温度を上げて測定する場合もありますが、裏に隠れている下地材料の温度はあまり上がらないので、あまり有効な測定結果が得られない場合も少なくありません。
また測定時の温度によって測定濃度を補正するのですが、温度が低いときに測定し補正した想定濃度よりも、実際に温度が高い時の濃度の方が高くなる傾向があります。
ですからホルムアルデヒドの室内濃度を測定する場合は、気温に注意することが大切なのです。