ツーバイフォー住宅の基礎は、在来工法の木造住宅の基礎と基本的には同じです。
ですが１階床の作り方によっては、基礎の立ち上がり部分を少なくすることも出来ます。
基礎の形体は、布基礎、土間コンクリートと一体になった布基礎、べた基礎 の３種類が現在の主流となっています。
中でも防湿や強度の点で利点が多い、べた基礎の採用が多くなってきています。
コンクリートの中に補強の鉄筋を入れた、鉄筋コンクリート製で作ります。
断面は以下のような形になります。
点線は布基礎の形状を示し、一点差線は鉄筋を示しています。
布基礎はタイプＡの断面で、内側(図右側)の床下に防湿コンクリートを打設します。
タイプＢとタイプＣが土間コンクリートと一体になった布基礎です。
タイプＣは立ち上がりの切込みや鉄筋の量次第で、べた基礎と言える場合もあります。
タイプＡでも建物内側にコンクリートを流し込むので、手間と強度を考えるとＢ・Ｃタイプが有利なので、現在の主流になっています。
タイプＤはべた基礎の典型的な形で、鉄筋が2重になっていて底面自体が強度を持つので、地盤が弱い敷地で地盤が多少沈んでも、建物が変形しにくくなります。
タイプＣも立ち上がり部分が連続していて、鉄筋の太さや間隔が適切ならば べた基礎となります。
タイプＣも鉄筋が1重となっているだけで、立ち上がり部分が連続していて鉄筋の太さや間隔が適切ならばべた基礎となります。
べた基礎と呼べる基礎では、立ち上がり部分の間隔（スパン）の広さによって必要とされる鉄筋の太さや間隔を満たすことが条件となります。
コンクリートの中に入れる鉄筋は、普通の部分で直径１０ｍｍ又は１３ｍｍの異形鉄筋（節がついた、丸い鉄棒のこと）を１５０ｍｍから３００ｍｍ程度の間隔で使用し、端部に直径１３ｍｍの異形鉄筋を使用します。
基礎の下には砕石を敷き詰めます。
昔は割栗石を敷き詰めたのですが、石を立てて並べなければならないために手間がかかり、最近ではあまり採用されなくなりました。
砕石を敷いた後、しっかり転圧する（機械等で押し固める）ことが大切です。
基礎の詳しい断面は以下の形となります。
寸法の単位はｃｍです。
立ち上り部分の厚さは１２ｃｍが標準です。
立ち上り部分の高さは基準法では３０ｃｍ以上に規定されていますが、フラット３５を利用する場合には４０ｃｍ以上が必要です。
根入れの深さは２４ｃｍ以上が標準ですが、寒冷地の場合は凍結深度以下まで下げる必要があります。
底盤の厚さは１５ｃｍが標準で、この厚みは２００１年の法改正で変更されたので、それ以前の建物では１２ｃｍの厚みの基礎が多かったのです。
底盤の幅は地盤の強度にもよりますが、平屋で３０ｃｍ ２階建てで４５ｃｍが必要です。
（その為に、平屋に２階部分を増築することは、かなり困難なのです。）
地盤が良い場所では底盤の幅はより小さくすることが出来ますが、地盤調査で正確な数値を計測する必要があります。
床下部分には、壁の長さ４ｍ以内に３００ｃｍ２以上の換気孔を設ける必要があります（フラット３５を利用する場合）。
しかし、最近では通気性を確保した基礎パッキンを、基礎と木土台の間に挟んで換気孔とする場合も増えています。
基礎断熱を行う場合は、換気孔は設けません。
また床下を断熱・気密構造として蓄熱に利用する場合もあり、その場合にも床下換気を行ないません。
その代わりに、基礎床下部分の防湿対策をしっかり行う必要があります。
ツーバイフォー住宅の場合は、水廻りなど細かい部分の基礎を立ち上がりを省略することもあります。
大きな根太材で床を支えることで、基礎の立ち上がり部分を減らすことが出来るのです。
基礎部分の仕上はモルタルを塗って仕上げるのが一般的ですが、他の左官材や塗装やコンクリート打放しで仕上げることもあります。
基礎については、ツーバイフォー住宅と在来工法の木造住宅は基本的に同じといえるのです。
