温暖化に対応する住まいを作る場合には、まず、地球の温暖化による住まいの環境変化について考える必要があります
環境が変化する内容が分からない限り住まいへの対処法も分からないのですから、予想される変化を知ることが重要なことなのです。
そこで地球の温暖化で環境がどのように変化するのか、じっくり考えてみましょう。
まず、気温が高くなります。
現在、最大で5度ほど(予想する研究者により上昇する予想温度は異なります)の平均気温の上昇が予想されています。
つまり温暖化に対応する住まいには、相当な暑さ対策が必要となるでしょう。
これまで夏の対策が重要でなかった地域でも、暑さに対する対策が必要なのです。
次に、海面上昇が予想されます。
ただこれについては、自分の住まいだけの対策ではほとんど対応不可能です。
何しろ敷地を盛土して高さを上げても、海の孤島となってしまっては普通の生活は望めないからです。
そこで海面上昇については、海岸沿いの地域では高い敷地を選ぶことがポイントですが、その他の地域ではまず考える必要はないでしょう。
さらに、雨が多くなります。
温度が高くなると水の蒸発量が多くなるので、海が近い日本では砂漠化よりも雨が多くなることが考えられるのです。
雨が少なくなる分には住宅には大きな問題はないのですが、雨が多くなると様々な問題が生じます。
雨漏れが発生しやすくなりますし、カビや結露も生じやすくなります。
そして、洪水による住まいの浸水も起きやすくなるのです。
そこで住まいにも、雨の多さや洪水や冠水などを想定した様々な対策が必要になるでしょう。
また虫の種類が変わり、より多くなる事も予想されます。
虫の種類が変わったり大量発生するようになると、住まいにも対応が必要になるのです。
蚊などが多くなると、網戸が欠かせなくなります。
シロアリが増えたり、より強い種類に変化すると、木造の住まいでは深刻な被害の発生も予想されます。
虫の変化は、住まいにとって相当深刻な影響を与える可能性があるのです。
そして、台風の大型化による被害の増大も考えられます。
台風による風は、一般的な強風より吹き上げる力が大きいのです。
さらに横から雨が侵入する形にもなります。
そこで住まいに対しても、特別な対処が必要となるのです。
同様に竜巻が発生しやすくなることも考えられます。
強力すぎる竜巻に対しては、まず対処不能です。
鉄筋コンクリート造の住宅か、身を守るための地下室設置しかありません。
弱い竜巻に対しては、台風対策を よりしっかりした対応とすれば良いでしょう。
つまり、温暖化に対応する住まいで考慮するべきポイントは、
高い気温・雨の増加・台風・虫
となります。
この4つの項目について、住まいの地域に応じた適切な対応をすることで、温暖化対応住宅が完成することになるのです。
では日本の各地域に応じた、実際の住まいへの対策を考えてみましょう。
地域別 住まいの対応方法