ここでは、寒冷地域における住まいの温暖化対策について、詳しく考えていきましょう。
気温が高くなる対策としては、風通しを良くすることに尽きます。
寒冷地域は一般的に夏でも太陽高度が低いので、庇や軒の出で日光をさえぎることは現実的とはいえません。
また積雪のよる重さの心配もあるので、庇を長く出して日差しをさえぎることは、あまり賢い方法とはいえません。
また本当に暑い期間は短いことが予想されるので、クーラーを使用する期間を短くすることを重視するべきなのです。
そこで室内に差し込む日差しの熱や室内で発生する熱を速やかに排出する為に、風通しの良い住まいとすることが有効です。
多少暑い日でも、風が流れている日陰(室内)は結構涼しさを感じるものです。
夜間の通風を確保する為に、網戸も欲しいところです。
外部に設置すると雪にやられてしまうので、便利さを優先する場合は室内側に設置できるタイプの網戸を活用しましょう。
また本当に暑い日の為に、エアコンについても冷房能力が高めの製品を選びましょう。
住まいの断熱性能については、普通に寒さ対策がなされていれば十二分な性能を持つので問題ありません。
雨の増加に対しては、雪が積もる対策と基本は同様なので、さほど意識することは無いかもしれません。
屋根や窓廻りの防水や基礎の高さなどについては、スガモリを防ぐ防水や積雪に対する高基礎などで対応済ともいえるのです。
ただ床下空間を暖房に利用している場合は、床下に水が入らない対策が必要となります。
地面近くの水の量が多くなるので、地面に近い部分を利用している場合には対策が必要なのです。
台風の強風に対する対策としては、防犯ガラスの設置と屋根の取付強度を増すことです。
台風が強くなる際に重要となる一番のポイントは、強風対策です。
しかも風で物が飛ばされるので、窓ガラスに物が当たって割れる可能性も高くなるのです。
窓ガラスが割れることを防ぐ為には、雨戸を、と言いたいところですが、積雪で動かなくなったり傷んだりします。
そこで窓ガラスに物が当たっても割れにくく突き抜けない、防犯ガラスの使用がお勧めなのです。
また台風の風が強くなると、屋根にかかる力が強くなります。
特に寒冷地域では屋根の勾配(傾き)が大きい屋根が多く風を受ける面積も増えるために、屋根にかかる風の力も強くなります。
風の力自体に対しては、吹雪の力に対応している寒冷地の住宅は十分な強度を持っています。
しかし吹雪や積雪のように上からかかる力だけでなく、台風の強風の場合には、吹き上げの力に耐える必要があるのです。
そこで全ての垂木を金物で固定することと、屋根材をしっかり取り付けることで対処しましょう。
特に屋根材をしっかり取り付けることが、最大のポイントといえます。
屋根の傾きが大きい為に屋根材が飛ばされやすくなっている状態なので、十分な対策が必要なのです。
虫については、蚊や虫を防ぐ網戸の設置とシロアリ対策が基本となります。
温度が高くなると、蚊が増えます。
また夜中に飛び回る虫も増えてくるので、網戸は必須となるでしょう。
そこで、室内側に設置できる網戸を採用する必要があるのです。
もちろん冬に取り外すのであれば、一般的な外付けタイプの網戸でもかまいません。
増えることが予想されるシロアリの被害については、現在の温暖な地域で行なわれているシロアリ対策と同等の対策を行ないましょう。
また柱や梁に使用する木材の材質にも注意が必要で、シロアリに比較的強い木材を使用することも必要となります。
寒冷地域における、地球温暖化に対する住まいの対策は、積雪対策と現在の温暖地域における対策とを併用することが必要となります。
現在の積雪に対処しつつ将来予想される台風対策やシロアリ対策を追加することが、現在の寒冷地における、これからの温暖化に対応できる住まいには必要不可欠なのです。