では、実際に地球の温暖化に対応するために、住宅に施すべき対策を考えてみましょう。
住まいの作りは地域ごとに結構異なるものです。
そこで温暖化対応の住宅つくりについても、大きな地域ごとに分けて考えます。
まず、本州温暖地域における住まいの温暖化対策についてみていきましょう。
地球の温暖化により気温が高くなることに対する対策としては、庇や軒の出の長さを適切に調整することと、冷房の性能に余裕を持たせることです。
屋根や外壁の断熱性能でみれば、現在のちょっと気の利いた断熱性能の住まいならば十分といえます。
しかし日差しから入ってくる熱は、暑い8月には一番影響が大きいものなのです。
そこで、8月の真昼の時間の日差しをさえぎることが出来る庇の長さや軒の出の長さに調整すれば、日差しから入ってくる熱を大幅に減らすことが出来るのです。
ただしあまり長すぎると冬の暖かい日差しまで遮ってしまうので、適切な長さに調整することが大切です。
それだけでは、気温が上がってしまうという根本的な問題には対応できません。
庭に緑を増やせれば気温を下げる効果があるのですが、庭が狭かったり周囲の環境などにより緑を増やせない場合も多いでしょう。
そこで、最終手段は冷房に頼ることです。
最近では家庭用のクーラー(エアコン)の容量が大きくなっているので、ワンサイズ大きなクーラー(エアコン)でも比較的安価に購入できます。
この際のポイントとしては、200V電源を採用することも考慮することです。
現在では200Vの電源を引いても、それほど電気代は上がりません。
大きな部屋向きの200Vのクーラーは100Vのクーラーより効率が高い場合も多いので、光熱費を下げる効果も期待できます。
またIHヒーターを使用する場合でも200Vが必要なので、オール電化住宅としやすくなるのです。
雨の増加に対しては、庇の長さと基礎の高さで対応しましょう。
庇の長さは日差しをさえぎる為に長くなっているはずなので、さらに基礎の高さを確保しましょう。
雨が多い九州での基礎の高さは、地面から40cm以上が標準的です。
今後雨が多くなると予想される本州でも、これくらいの基礎の高さは欲しいところでしょう。
強い雨では雨のしぶきも高く上がるので、このしぶきを避ける為にも基礎の高さは重要なのです。
床下の換気や乾燥の点でも有利となります。
また、地下室を設置する場合は特に注意が必要です。
ちょっとした洪水でも浸水しないような、水が浸入しにくい作りの地下室とする必要があります。
ちょっと長くなりそうなので、本州温暖地域の住まいの温暖化対策2 に続けましょう。