鉄骨造住宅の屋根は、屋根と壁の作り方によってさまざまな作り方が考えられます。
その中で、一般的に良く利用される作り方を見ていきましょう。
鉄骨造で良く使用される折版屋根は、梁(小梁や母屋梁)の上にタイトフレームと呼ばれる取付金物を溶接そて折版屋根をボルトで取り付けます。
鋼板裏面の結露を防止する為に、折版裏面にぺフと呼ばれる薄い断熱材を貼ります。
折版の高さや鋼板の厚みによって、タイトフレームの間隔が違ってきます。
折版屋根は雨音が響きやすく断熱性能も良くないので、鉄骨住宅で採用する場合は断熱や遮音の対策が必要でしょう。
木造住宅同様の屋根材を使用する場合、屋根を勾配屋根とするために屋根梁を山形とします。
その梁に受け金物を取り付け、鉄骨母屋を900mm程度の間隔で並べます。
鉄骨母屋は通常Cチャン(巾100mm高さ50mm程度で3.2mm厚又は2.3mm厚)を使用しますが、木製の母屋(90mm角又は105mm角)を使用する場合もあります。
母屋の上に、合板(厚さ9mmから12mm程度)や木毛セメント板(厚さ25mm程度、準耐火構造の屋根などで使用)を敷きつめ屋根の下地とします。
この上に木造住宅の屋根仕上げと同様にアスファルトルーフィングを敷き込み、屋根仕上材を取り付けます。
デッキプレート+コンクリートやALC版で陸屋根を作る場合、下図のようになります。
デッキコンクリートの上に防水層(アスファルト防水や塗膜防水など)を設置し、上部をモルタルで保護します。
入り隅部分は直角に防水層を作ると防水が切れやすくなるので、三角形の枠材を入れて弱点をなくします。
屋根を歩行しない場合や防水層の種類によっては、保護モルタルは省略される場合もあります。
壁際部分は立ち上がり部分に下地ボードを貼り、防水層を上まで立ち上げます。
防水層の上部を押え金物で固定し、金物と壁の頂部に取り付けた笠木との隙間をコーキングで埋めます。
ALC版で屋根を作る場合も、デッキプレート+コンクリートで屋根を作る場合と同様なつくりとなります。
壁ALCと屋根ALCの間にクッション材を挟むことで、ALC版同士がぶつかることによる割れを防ぎます。
その上の防水層や保護モルタルや笠木廻りは、デッキプレートと同じつくりとなります。
ここに挙げたのは、ほんの一例です。
特に陸屋根と外壁の接続部分には、様々な作り方があります。
その中でも防水性能を確保しつつローコストに収まる作り方をすることが、屋根を上手に作るポイントといえるでしょう。