太陽光利用機器は、設置にかかる設備の費用に対して、光熱費の減少分で回収できるか否かが採用するポイントとなります。
代表的な設備機器としては、太陽熱温水器・太陽光発電・OMソーラーに代表される太陽熱蓄熱などがあります。
太陽熱温水器は、太陽熱を利用して水を温めてお湯を作るというシンプルな構造の設備機器です。
太陽光利用の設備機器としては歴史がある上に施工実績も多いので、設置費が安い製品であればかなり有効だといえます。
ただ注意することは、設置台数を増やしすぎないことです。
太陽熱温水器は陽射しが無いとお湯を作ることが出来ないので、補助的な給湯器と併用することが不可欠です。
一番お湯が必要とされる寒い日1日のお湯全てを対象として設置してしまうと、普通の日には作ったお湯が余ってしまう事になります。
この余り分が多ければ設置にかけた費用が無駄になっていることになるので、設置費を回収出来なくなる可能性も高まります。
作ったお湯が余ることを減らすことが、太陽熱温水器設置のポイントなのです。
太陽光発電は、屋根一面に太陽電池を敷き詰めて発電する設備です。
多結晶シリコンやアモルファスシリコンを使用している製品が主流で、設置費がかなり高額となります。
また発電した電気を100Vの交流に変換したり、余った場合は電力会社に売電する設備機器も必要になるので、設備の耐久性にも問題が残ります。
また発電効率の低下の原因として、発電面の汚れ・経年劣化・高温(これが意外な盲点で、夏の日差しが強い時期に発電効率が落ちてしまうのです)などがあり、予想したほどの発電量を確保できない場合があるのです。
加えて設置代金を住宅ローンに上乗せした場合、その返済の金利分まで余分に費用が掛かることになります。
ですから太陽光発電を設置する場合は、出来るだけ安い製品で、設置費を現金で準備できることが条件になるでしょう。
また補助金制度があるので、これも最大限活用しましょう。
環境問題まで考慮すると、太陽光発電自体は非常に優秀なエネルギー源となります。
そこで環境保護に対する強い意識と金銭的余裕がある方には、設置していただきたい設備であることは確かです。
現在(2012年)では売電価格が高く設定されているので、設置費用を回収しやすくなっています。
売電価格はだんだん安くなる予定なので、早めに設置するべきです。
OMソーラーに代表される、太陽熱や夜間の冷気を建物に蓄熱や蓄冷して、冷暖房に利用する設備もあります。
考え方としては優れた物ですが、室内温度のコントロールが難しいことと、蓄熱部分の容量や断熱性能の問題があります。
また蓄える時間帯と熱を取り出す時間帯のコントロールも難しく、蓄熱(冷)部分の結露やカビの発生も懸念されるので、設置する場合には事前の細かな検討が重要になります。
OMソーラーの場合は、設置費用を冷暖房費の削減で回収するよりも、空調機器としての快適さが重視されるようです。
設置の為の総コストを考えると、設備費を光熱費の減少で回収という点ではあまり期待できない設備なのです。
ただ省エネルギーの効果は高くなるので、エコロジーな冷暖房とはいえる設備です。
太陽光利用機器は、現状で一番有効な製品は太陽熱温水器です。
地球環境保護に対して強い思いがある場合、採算はあまり考えない前提で太陽光発電がお勧めです。
OMソーラーなどの蓄熱(冷)を利用する場合は、採算性より快適な冷暖房としての機能が主な点だということを意識し、蓄冷部分の結露やカビに十分注意する必要があります。