鉄筋コンクリート(RC造)住宅の内壁部分は、コンクリート面へ仕上を行う場合と内部の間仕切壁では、作りがまったく異なります。
コンクリート面へ仕上を行う場合は、打放し・直吹付・モルタル下地・胴縁下地・GL工法といった下地を使用します。
間仕切壁の場合、木製壁下地と軽量鉄骨壁下地を使用して壁の下地を作り、その上に仕上げます。
外部と違って内部の壁の場合には、作りやすさも大切な要素となります。
それぞれに長所と短所がありますから、適切な下地を使うことが大切です。
打放し仕上は、コンクリートをそのまま仕上とします。
外部と違って保護剤は必要ありませんが、直接手が触れる部分なので外部より綺麗なコンクリート面とする必要があります。
コンクリート面に、塗料を塗って着色することもあります。
直吹付は、外壁と同様の仕上げ方です。
GL工法は、壁下地の石膏ボードを貼る方法の一種で、団子状の接着剤をコンクリート面に適切な間隔で配置し、石膏ボードを押し付けて接着します。
工事は簡単なのですが、壁にフックなどを取り付けられなかったり石膏ボード以外は直接貼ることができないという欠点があるので、住宅ではあまり使用されません。
胴縁下地は、木製の胴縁をコンクリートに貼り付けて壁の下地とします。
胴縁部分にフックなどを取り付けられたり、上に貼るボードの種類を選ばないという特徴があるので、住宅の下地では多用されます。
モルタル下地は、タイル仕上や外壁同様の仕上を行う浴室や玄関などで使用されます。
仕上の種類も外壁に準じます。
間仕切壁は下図のような形となります。
木製間仕切壁は、木材で天井と床との間に一定の間隔で並んだ縦枠を作り、壁材を貼る作り方です。
縦枠は、コンクリートの上に直接設置する場合と床仕上を行った上に設置する場合があります。
コンクリートの上に設置する場合は、枠材に横9cm縦4.5cm程度の大きさの材を使用することが多く、床仕上の上に設置する場合は、4.5cm角くらいの材料を使用する場合が多いようです。
本来壁の下地はコンクリートの上に設置するべきですが、内壁の場合は余り力が掛からないので、床上に設置しても特に問題はありません。
音や振動を隣室に伝えたくない場合には、コンクリート上に枠を設置する方がいいでしょう。
軽量鉄骨下地壁は、ランナーと呼ばれるコの字型の材料を天井と床に設置し、その間にスタッドと呼ばれる縦枠材を並べて作る壁下地のことです。
鉄部分は通常亜鉛メッキしてあるので、錆びの心配はほとんどありません。
丈夫でまっすぐな面を作りやすい点が特徴ですが、コストが高めで木の下地ほど自由な改修は出来ません。
内部の壁は色々な作り方がありますが、住宅の場合は通常使用される下地としてはほとんど同じ種類です。
木胴縁下地の壁と木製間仕切壁で使用する材料を統一し、大工工事で壁の下地を全て作ってしまうことで手間やコストを抑えます。
仕上がタイルなどの場合にのみ、それに適したモルタル下地とします。
内壁の場合は、仕上の材料と将来の改修に備えることが大切です。
仕上を確実に支えられ、作りやすく変更しやすい下地を作ることが長く使うためのポイントとなるのです。