鉄筋コンクリート(RC造)住宅の床を支える下地部分には、いくつかの作り方があります。
大まかには、直張り・転ばし床・木組床の3種類です。
直張り床仕上は、コンクリート床スラブの上に、ならしモルタルと呼ばれる材料で平らな面を作り、クッション材を敷いてから、フローリングやカーペットなどで仕上げます。
ならしモルタルは省略されることもあり、その場合はコンクリートの平らでない部分だけを補修することで平らな面を作ります。
クッション材については、あらかじめフローリング板に取り付けてある床仕上材もあります。
床暖房を行う場合は、コンクリート部分を蓄熱層として利用できるので効率が高くなる傾向があります。
床にタイルや石を張る場合は、上の右の図になります。
下地モルタルは ならしモルタルとほとんど同じもので、床を平らにすることが目的です。
ただこの直張り床は床が固く感じることもあるので、戸建住宅の場合は木で下地を組んで仕上げることも多くなります。
木で下地を組む場合、根太を並べるだけの転ばし床下地と、大引と根太を用いた木組床下地の二つの方法があります。
転ばし床下地は、4.5cm角の根太を30cm程度の間隔で並べて床下地とします。
コンクリートと根太の間に飼いモルタル(又は飼い木)を挟んで、根太が水平で同じ高さとなるように調整します。
この作りは使用する木材は少なくて済みますが、根太を全て水平で同じ面に調整しないといけないので手間がかかります。
また床の場所によって、硬さの違い(飼いモルタル直上部分は硬くなる為)を感じることもあります。
木組床下地は、まず高さ4.5cm幅9cm程度の大きさの大引を90cmから100cm程度の間隔で並べ、コンクリートと大引の間に飼いモルタル(又は飼い木)を挟んで大引を水平で同じ高さに調整します。
その上に4.5cm角の根太を30cm程度の間隔で並べることで床下地とします。
この作りは転ばし床より木材は沢山必要となりますが、水平面を作りやすく、床のクッション性能も高くなるという特徴があります。
現在の鉄筋コンクリート(RC造)による戸建住宅では、この木組床下地が主流となっています。
鉄筋コンクリート(RC造)住宅の床部分は、床の固さが大きなポイントとなります。
特に床が固い場所で調理するなど、立ったままの作業時間が長くなる場合は足が疲れ易くなることもあります。
そこで快適な住まいの為には、床に適度なクッション性を持たせることが大切なのです。