私が安心して薦める外壁材料を紹介します。
- 漆喰塗
- 性能や綺麗さは職人さんの腕や漆喰の種類に左右されますが、全体的にみて耐久性は高く、見た目も落ち着きがあります。
漆喰は表面がかなり強固で強いアルカリ性を持つので、カビなどが生えにくく綺麗なまま長持ちしやすいという特徴も備えます。
漆喰で仕上げる為にはコストと時間がかかり、漆喰を塗る左官屋さんの技術によって耐久性や見た目の綺麗さに差が出るところが弱点となります。
欠けた部分の補修などは比較的容易で、長持ちする外壁材料といえるのです。
- サイディング下地VP
- 初期コストは安いので、使いやすい材料となります。
サイディングは水を吸いやすいので、仕上のVP(薄い塗材)が劣化する前に定期的にメンテナンスを行うという条件付で薦めることができます。
見た目がすっきりしているので、ローコストでシンプルな住宅にぴったりです。
仕上を 吹付タイル にすると、普通の住宅でも多用されているデザインになります。
タイル調のデザインなどあらかじめ塗装されているサイディングもありますが、近寄ってみると本物とは質感に大きな違いがあり本物より耐久性も劣ります。(VP仕上げより耐久性が高いのですが、再塗装は難しくなります。)
- ガルバリウム鋼板
- 表面に施されたアルミ亜鉛合金により、錆びにくく耐久性が高くなる素材です。
いろいろなデザインがありますが、水が下に落ちやすい角波板がコストも安く、見た目もモダンなデザインとなります。
屋根に同じ材料を使うと、一体感のあるデザインとなります。
着色してある製品は長期間経過したときの色落ちが気になりますから、素地の色かカラーとするかの選択は微妙です。
耐久性とコストのバランスがいいので、最近は建築家が採用するケースが多い材料です。
熱を伝えやすい金属なので、断熱性能で劣る点が弱点となります。
- 木板張り
- 杉・桧・米松などの木板仕上で横張りの場合は下見板張り、縦張りの場合は本ザネか合ジャクリの加工を行って仕上げます。
日光に当たるとすぐに真っ白になるので、板を張り終えたら保護塗料を出来るだけ早く塗りましょう。
また木材保護塗料は、数年毎に塗りなおす必要があります。
変色が気にならない場合は、そのまま無塗装で使用しても構いません。
50年位経過した古い住宅の杉壁(木材の中では比較的耐久性が低いといわれますが)でも、黒ずんだ板の表面を削ると、すぐにきれいな杉が見えてくるほど耐久性は高いものです。
しかし板に水がたまりやすい使い方をするとすぐに傷んでしまうので、使い方には注意が必要な材料です。
時間がたつにつれて味が出てくる材料ですが、好き嫌いも激しい材料といえます。
外壁は近くで見て触れる機会が多い部分となるので、見た目や質感が気に入った材料を使いましょう。
10年くらい経ったらどう見えるか、という点も重要です。
新建材は時間が経つと汚くなる傾向がありますが、自然素材は時間が経つと味が出てくる場合が多くなります。
そこで外壁については、新築の状態だけでなく10年先の見え方も予想しながら選ぶことが大切なのです。