台風の大雨による洪水や浸水については、早めに避難することが大切です。
洪水や浸水については、ほとんどの場合は被害が出そうな地域に地方自治体などから警報が出ます。
ですから、海や川に近い地域では警報に注意する必要があるのです。
この時注意するべき点は、台風によって雨が降る範囲は、台風の外周の方が激しい場合もある点です。
台風が近づいて去ってしまうまで、洪水や浸水の警報に注意する時間も長くなる傾向があるのです。
また台風の通過によって近くの低気圧が活性化して大雨になる場合もありますし、下流の地域で雨が少ない場合でも 上流で降った雨によって、洪水などは起こりえます。
ですから雨が止んでも川の水位が下がるまでは、警報に十分注意しましょう。
洪水や浸水の際に避難が必要になったら、早く避難するほうが安全です。
台風が近づくと風も強くなり避難の際に危険が増しますし、実際に浸水し始めてからでは水に流されてしまう危険も生じます。
水の流れがそれほど速く見えなくても、地形によっては水の流れに巻き込まれてしまうこともあります。
(川で泳いでいる最中の事故などは、目に見えない水の流れに巻き込まれて起こる場合も多いのです)
ですから、危険を感じたら警報が出ていなくても早めに避難することが重要なのです。
避難の際には、出来るだけ軽装で行動しましょう。
台風自体は1日もあれば、たいていの場合過ぎてしまいます。
万一住まいが被害にあっても、たいていの場合 避難場所への支援は比較的短時間に行われるはずです。
そこで避難の際は無駄な物を持たずに出来るだけ軽装で、安全かつ速やかに避難することを第一に考えましょう。
また高波についても、基本的には警報に注意して、洪水の場合と同様に速やかに避難する事が大切です。
台風が強くなると高波も大きくなるので、強い台風が近づいてきたら要注意です。
特に高波の場合は見えてからでは避難してもまず間に合いませんから、早めの避難が特に重要となるのです。
土砂崩れについては、前兆現象に注意し、おかしいと感じたら速やかに避難することです。
事前に警報が出ていればもちろん避難が必要ですが、そうでない場合でも危険な地域に住まいがある場合は注意しましょう。
土砂崩れの前兆現象には、
山の斜面から小石が落ちてくる
斜面から水が噴き出す
山鳴りや異様な音がする
斜面やその近くに亀裂が出来る
側溝や小川に流木(枝)などが混じる
雨にもかかわらず側溝や小川の水が減る
などがあります。
これは斜面で普段と違う現象が起きることを見つける必要があるので、普段から斜面廻りの状況を確認しておくことや、近所の連携で出来るだけ早く見つけることが必要となります。
発見したら近所にも知らせて、出来るだけ早く避難する事です。
また土砂崩れは雨が止んでからも、しばらくは警戒が必要となります。
台風が過ぎ去っても油断しないことが大切です。
大きな土砂崩れは、普通の擁壁や鉄筋コンクリート壁などではとても防ぐことは出来ません。
建物の裏にしっかりした擁壁があっても、土砂崩れに対する警戒は必要なのです。
電線の被害については、電気で動くものが止まってしまうことが問題です。
集合住宅などで水を加圧ポンプで加圧している建物では、トイレの水が流れなくなります。
同じく受水槽で水圧を確保している場合は、受水槽の水がなくなると やはり水が流れなくなります。
集合住宅や3階以上の建物に住んでいて水道に加圧ポンプや受水槽が使ってある場合には、台風が来る前に風呂に水をためて、万一の停電に備えることが大切です。
また停電に備え 暗い時間に行動する為の懐中電灯や、情報を得る手段として携帯ラジオなどを用意しましょう。
ラジオが聞ける携帯電話やスマートフォンを非常時に使用すると、電話を掛けたい時に電池がなくなってしまうことも考えられます。
オール電化住宅などではコンロも使えなくなるので、食事を作ることも問題になります。
台風が過ぎてしまえばコンビニやスーパーがあると考えがちですが、同じ考えの人がたくさんいると売られている食べ物はすぐになくなりますし、台風の影響で商品の輸送が出来ないことも考えられます。
そういう事態に対処する為、手軽に調理できる食材とカセットコンロなどの電気を使わない調理器具を準備しておくことも大切です。
台風の場合は強風による被害だけでなく、洪水や高波や土砂崩れから停電などによる被害も考えられます。
この中でも強風と停電については地域を選びませんが、洪水や高波や土砂崩れは住んでいる場所や地域によって警戒の必要性が変わってきます。
台風対策には、住んでいる地域で警戒するべき被害を考えることと、それに対して準備や情報(警報)を得る手段を考えて準備することが重要なのです。