住まいのリフォームの目的としては、家族のために行なうリフォームもあります。
子供の成長に応じて部屋を仕切ったり増築したりするリフォームや、同居する両親の為にバリアフリー化するリフォームなどです。
実際にどんなリフォームを行なうのか、内容を見ていきましょう。
まずは子供部屋に関するリフォームです。
子供が大きくなると、個室が必要となってきます。
そこで部屋を分けることが必要になったり、子供室の増築が必要となったりします。
このリフォームは必要となる時期が大体分かっているので、予算などを早めに準備しておくことが大切です。
現在大きな子供部屋があれば、部屋を区切るリフォームを行なうことで部屋の数を増やすことが出来ます。
最近の住まいで子供部屋をオープンで大きな一部屋にするのは、将来的に仕切ることが出来ることを考えての事なのです。
リフォームのコツは、仕切る壁の厚さを薄くすることです。
部屋を区切ってしまうと各々の部屋は狭く感じることも多くなるので、少しでも部屋面積を確保する事が重要なのです。
収納家具で部屋を区切ることも、有効なリフォーム方法の一つです。
子供部屋の為に増築が必要な場合、あらかじめ増築部分を確保してある場合は別として、かなりのリフォーム費用が必要です。
あらかじめ吹き抜け部分や小屋裏などに増築部分を想定し確保してある場合や、そのような増築できる空間がある場合には、内部の床と壁を作るだけで済むのでリフォーム費用は比較的低額に収まります。
(ただ増築とみなされる場合には、広さによっては確認申請が必要となる場合もあります。)
しかしそのような空間が無い場合は、増築を行なう必要が出てきます。
防火地域や準防火地域では少しの増築でも確認申請が必要になり、その他の地域でも10平米(6畳程)を越えると確認申請が必要です。
また平屋部分に2階部分を増築する場合は構造強度の確保が難しくなるので、敷地に余裕が無い場合には何らかの工夫か既存部分を補強する改築工事まで必要となる場合があるのです。
増築を行う場合には、計画や準備にかなりの時間もかかります。
子供に関しては部屋が必要となる時期は想定できるので、早目にリフォームの準備を行なうことがポイントといえるでしょう。
増築を行う場合、増築部分と既存の部分のつなぎ目が雨漏れの原因となりやすいので確実な施工を行なうことが大切です。
また既存部分に穴をあけることになるので、構造が弱くならないように補強することも重要でしょう。
次は、両親の為のバリアフリー化に関するリフォームです。
同居していなくても両親が頻繁に来訪する場合には、バリアフリー化のリフォーム工事を行なうことを考えましょう。
手摺や椅子を取り付けるだけでも、かなり使いやすくなるものです。
バリアフリーリフォームには、比較的簡単な手摺の設置から段差解消の為のスロープ設置や廊下巾の拡張、さらに洗面台やトイレ機器から浴室やキッチンまで設備関係のバリアフリー化まで考えられます。
このようなバリアフリー化は体の不具合に合わせた内容とする必要があるので予測は難しく、準備していない住まいも少なくありません。
視力が弱くなれば見えやすい色使いや照明に変更するリフォームが必要となり、足が弱くなったら手摺の設置と段差を無くすリフォームが中心となります。
車椅子が必要になったらトイレから浴室までをバリアフリー対応とするリフォームが必要になり、廊下の巾によっては広げるリフォームも必要となるのです。
バリアフリーのリフォームは必要になってから対応するリフォームとなりますが、早急な対応が必要になることもあります。
またバリアフリー工事には地方自治体が独自に補助や融資を行なっていることも多いので、それを有効利用することも大切なポイントと言えます。
家族の為のリフォームは、予測がしやすい子供部屋をつくるリフォームと予測がつかない両親(時には他の家族)の為のバリアフリー化のリフォームの二つがポイントです。
予測できるリフォームにはしっかりと準備しておく事が大切で、予測できないリフォームには補助や融資を活用することが、上手なリフォームを行なうコツなのです。