木造住宅の屋根部分の作り方について見ていきましょう。
屋根の形には色々種類がありますが、作り方の基本は同じです。
寄棟屋根の下地の作り方を真上から見ると、下の図になります。
屋根の一番低い部分を支えるのが軒桁です。
一番高い部分を支えるのが棟木で、幅・高さとも10.5cmか12cmの材料を使用します。
寄棟の屋根では、隅木と呼ばれる屋根が斜めに折れるところの下に棟木と同じ太さの材料を入れて支えます。
軒桁と棟木の間を支えるのが母屋で、幅・高さとも9cmか10.5cmの材料を使用します。
母屋同士の間隔は通常、90cmから100cm(半間)です。
母屋や棟木は梁上に設置した束で支えます。
天井を高くする場合には束を省略し、母屋の位置(高さ)に梁と同じ様な大きな断面(太さ)の材料を使用して支える場合も有ります。
この場合の材料は母屋梁と呼びます。
垂木は軒の出の長さや屋根材の重さによっても太さが変わりますが、幅4.5cmで高さ6cmから7.5cm位の材がよく使われます。
軒の出が長い場合には、垂木の高さを9cmや10.5cmくらいまで高くします。
垂木同士の間隔は一般には40cm前後で、屋根仕上によって変える場合もあります。
屋根の作り方は屋根材によって多少変わりますが、大まかには同じつくりです。
金属板屋根の作り方は下図のようになります。
垂木の上に野地板と呼ばれる厚みが1.2cm程度の板材や合板を貼ります。
合板を使用した場合は屋根防水層部分の湿気が小屋裏に抜けにくくなりますから、耐久性を重視する場合には板材を使用しましょう。
アスファルトルーフィングは、住宅の防水を確保するためには、非常に重要な部分です。
屋根材は材料の重ね部分や釘の穴や取付金物周り等の為に、単体での完璧な防水はまず不可能なのです。
ですから、その下にある防水層の防水性能が大切となるのです。
屋根材のつくり方のポイントは、軒先と棟部分の作り方です。
軒先は台風時に屋根が飛ばされない為に、しっかり固定できることが重要となります。
棟部分は屋根のつなぎ目になるので、強度と共に雨漏り防止の為に最も重要な部分でもあるのです。
また、軒の出は、軒桁から屋根の先端までの長さのことを示します。(または垂木の先端までを示すこともあります)
軒の出の長さはデザインだけでなく、外壁の耐久性を確保したり陽射しを遮る為にも、住宅における重要な要素となります。
軒の出を無くす場合は、外壁の耐久性や陽射し対策をしっかり考えることが必要です。
屋根を作る基本は、複雑な形にしないことです。
複雑な形になれば雨水の流れが変わる部分が増え、その廻りの屋根材の加工も難しくなるので、そのまま雨漏りの原因が増えることになってしまいます。
単純ですっきりした形にすることが、屋根つくりの基本といえるのです。