木造住宅の床の作り方としては、1階の場合は土台や大引に根太を載せて、合板を敷いた上に床仕上材を貼る作りが一般的です。
2階床の場合は土台や大引きが胴差や床梁に変わり、その上は同じ作りとなります。
ここでフローリングの場合は下地の合板が省略されることもありますが、省略すると床板が鳴りやすくなるので、材料や施工に細心の注意が必要となります。
床仕上がタタミの場合は、タタミ下の通気性を確保するために合板部分を荒床と呼ばれる単板を並べたものに変えることもあります(もともと日本の住宅では、荒床が基本でした)。
ただ畳の下にも断熱材を設置することが多くなった為に、合板下地とすることが現在では一般的です。
土台の大きさは構造にもよりますが、12cm角か10.5cm角の太さが一般的です。
柱の幅と同じ幅の土台が必要となります。
大引は9cm角が一般的で、大引同士の間隔は1m以下とします。
床梁同士の間隔は、最近では1m以下とする場合が多いのですが、2m以下とする場合もあります。
大引は束で支えますが、木束の場合は縦向きに木材を使う為に水分を吸いやすく、腐れ易いという欠点がありました。
ですから、最近では束には木製ではなく金属製の鋼製束を使用することが多くなりました。
プラスチック製の束もありますが、プラスチックは紫外線に弱い(脆くなる)ので鋼製束の方が安心です。
鋼製束には、錆びにくいステンレス製や亜鉛メッキの製品を使います。
1階の根太は、幅4.5cm、高さ4.5cmから6cmが一般的な太さで、2階の根太は幅4.5cm、高さ6cm(床梁の間隔が1m以下の場合)が一般的です。
2階の根太は、昔は幅4.5cm、高さ10.5cmで床梁の間隔を2m以下としていましたが、根太と床梁に欠き込み加工をする必要があるので、最近ではあまり使われなくなりました。
お互いの材料を欠き込む為に、床組部分の強度は高くなるのですが手間がかかります。
現在では合板を貼ることで、床鳴り対策と共に床組みの強度を確保しているのです。
床部分の経年劣化に対する耐久性を考えると、合板部分の接着剤の強度がネックとなります。
しかし床仕上材の耐久性まで考えると、リフォーム時に下地の合板まで交換というのが現実的な対策になるでしょう。
この合板と根太を省略し、仕上材自体の強度で床を支える床構造もあります。
大引や床梁の間隔は1m以下、仕上の床材は3cm程度以上とします。
昔の納屋の2階と同じような構造ですが、床板の厚みがより厚い点がポイントです。
厚みがないと強度の点では大きな問題はないのですが、床のたわみが大きくなり安心して歩けなくなるので、厚みを増すことが必要なのです。
この作り方の問題点は、床面の剛性が骨組みに伝わりにくいことです。
そこで土台や胴差上いっぱいまで床板を貼りつめることで、出来るだけ床材と骨組みとの一体化を図る事が大切です。