振動抑制金具は、比較的手軽に住宅を制震構造にすることが出来る建材です。
メーカー(フクビ化学工業)公表の特徴は
柱と梁・柱と土台の間に取り付けることで、地震時のエネルギーを熱エネルギーに変換して揺れを吸収。
高減衰ゴムが震度6強の揺れを震度5強の揺れに抑え、地震に粘る家を実現します。
地震エネルギーを吸収することで、結果的に住宅の変形を小さくします。(2〜5割変形を抑制)
住宅の損傷を低減するとともに、揺れから生まれる不安や恐怖も抑制します。
制震材として使用される高減衰ゴムは約60年以上の耐久性を誇り、十分な信頼性、耐久性を備えています。
従来の耐震設計住宅にプラスして取り付けることが可能です。
耐震+制震 効果が発揮できる優れた住宅を、設計者が設計しやすい制震装置です。
10平方メートルあたり1セット(=REQダンパー4個分)を目安として設置します。
X軸方向とY軸方向をバランスよく配置します。
取り付けは、2階建ての場合は1階壁のみの設置となります。
これにより、1/30の層間変位(震度6強の地震時に発生する変位に相当)を約30%低減します。
以上が概要です。
特別な計算を行なわなくても、木造住宅を制震構造化出来ることが最大のメリットです。
ビス留めのみで工事が出来るので、筋かいの取付より手間が掛からない位の手軽さです。
2セットが65,000程度なので、平米3,000強の出費となります。
1階が100平米なら32万円程度と制震構造として標準的なコストといえます。
また免震構造ではなく制震構造なので、揺れが小さい地震では、ほとんど揺れを抑える効果がないということを頭に入れておく必要があります。
注意点は、ダンパー設置の場所をバランスよく配置することです。
基本的な構造は筋かいなどの耐震構造で支えるので、問題は起きないのですが、バランスが悪い配置にすると制震効果が発揮されないので、かかったコストが無駄になってしまいます。
また、ダンパーの取付の際に隙間が出来たり、無理に取り付けるような形になると、所定の精神性能を発揮しないので、隙間やズレが生じる際には、飼い木を介して取り付けることが大切です。
メリットは、計算がほとんど不要で工事も簡単という手軽さです。
コストは制震構造としては一般的といえます。
デメリットは、手軽さゆえにバランスの良い配置を忘れてしまう危険性があることと、取り付け部分に隙間があると制震性能が発揮できなくなる点です。
また、きちんと設計された制震構造より、効果が若干弱くなる傾向がある点もちょっとした弱点となるかもしれません。
制震効果を最大限に発揮する為には、ダンパーの適切な配置を行なうことが大切です。
製品例:REQダンパー