ケナフの耐力面材は、1年草のケナフを利用した耐力壁用面材として注目されています。
1年(数ヶ月)で収穫できるエコロジーな材料の上に、湿気を通しやすいという特徴があります。
ケナフは心部と靭皮と呼ばれる外皮部で構成されます。
その靭皮からは、長く強度の高い繊維がとれます。
その繊維を樹脂で固め、ボート状に形成した建材がケナフの耐力面材です。
木造住宅の耐力壁用(地震や強風に耐える構造部分)に良く使用される構造用合板よりも薄い材料で同等以上の強度を発揮します。
薄い為に重量も軽く、湿気を通しやすいという特徴があるのです。
合板は湿気を通しにくく、耐力壁として柱の外側に貼りつけると、内部の柱部分の湿気が抜けにくいという問題があります。
大抵の場合、その柱の間に断熱材があるために結露が生じやすく、それが壁の内部に溜まって木材の腐れや金物の腐食などを発生させてしまいます。
しかし、ケナフの耐力面材は湿気を通しやすいので、内部結露を蒸発させやすいという利点があるのです。
これは住宅全体の耐久性を伸ばすことにつながるので、大切な機能といえます。
パーティクルボードなど他の構造用面材と比べても、湿気を通す能力は優れているのです。
薄く軽いという点も、構造的や施工的に有利となります。
構造面では軽くなることで、地震の際にかかる力が若干ですが少なくなります。
施工的にも軽い為に取り扱いがしやすくなります。
ただ、耐力壁部分は釘のピッチを周辺部で100mmピッチ(中央部は200mm)に打つ必要がある点には注意が必要でしょう。
エコロジー面では、構造用合板と比較すれば、ケナフの成長が早く計画栽培が出来るのでエコロジーと言えますが、ボードとして形成する為に樹脂を使用していますから、特にエコロジーというわけでもありません。
さらに、ケナフの栽培を国外で行う場合が多いので、輸送費がかかってしまう点もマイナスです。
ケナフの耐力面材は透湿性の良さが一番のポイントと言えます。
製造や運搬過程を考えるとエコロジーとはあまりいえない建材で、輸入木材による合板よりは良いという程度なのです。
製品例:ケナボード