太陽熱集熱外装パネルは、簡単なファン以外の動力源や熱源を使わずに暖房できる点が最大の特徴です。
メーカー(新日軽)公表の特徴は
太陽熱集熱外装パネルとは、アルミ製のスパンドレルを外壁を覆うかたちで設置して太陽熱を集め、外壁とスパンドレルとの間を通過する空気を暖めてファンで室内に吸引する簡易暖房補助システムです。
(暖房器具との併用で御使用ください)
太陽エネルギー以外のエネルギーをほとんど使わないため、暖房によるCO2排出量を大幅に削減することができます。
太陽熱を利用して空気を暖めるため、ひと月あたりのランニングコストは給気ファンの電気代約18円しかかかりません。
新鮮な暖かい空気による暖房なので、一酸化炭素中毒等の健康被害の心配がありません。
給気ファンにより空気を循環させているので、窓を開けなくても暖房と換気が同時に行えます。
ローコストなので廊下やトイレ、浴室等でも手軽に利用でき、部屋間の温度差も低減できます。
火を使わない暖房なので、外出時に稼動させていても安心。室内を暖かく保つことができます。
以上が概要です。
太陽熱集熱外装パネルを利用すると、設置面積や設置場所にもよりますが、昼間の暖房にかかるエネルギー(光熱費)を大幅に削減できます。
また、夏でもスパンドレルの下地となる外壁面の温度上昇を抑えることが出来るので、若干ながら断熱効果が上がります。
夜間も壁面が暖まっている時間は効果がありますが、冬の時期は温度が下がるのも早くなります。
しかし、冬季の日が当たっている時間しか暖房効果がないという点が弱点ともいえます。
共稼ぎなどで、昼間に住まいを留守にすることが多い家庭では、省エネ効果が少なくなってしまいます。
夜間は普通の暖房が必要となるので、暖房機器をコンパクトにも出来ません。
また、設置コストに対して省エネルギー効果が期待できるのは、冬季の日射が多い太平洋に面した地域で比較的温暖な地域に限られます。
このような制限が多い暖房方式なので、設置の前に十分な検討が必要といえるでしょう。
太陽熱集熱外装パネルは、昼間の暖房効果を最大限に活用することが出来るか否かが最大のポイントとなります。
冬季の暖房に対してしか省エネルギー効果がない為、昼間の暖房利用が少ないと設置費用の回収も難しくなるのです。
外壁デザインのアクセントとして利用する分には、設置コストを無視できるので効果的といえますが、暖房費用削減の為に設置するにはリスクが多い方法といえそうです。
製品例:ソーラースパンドレル