漆喰シートは、壁紙を貼るような工程で漆喰仕上とすることが出来る画期的な壁材です。
メーカー(トクヤマ)公表の特徴は
ベース紙に漆喰を圧縮塗布し、その上に養生シートを積層した独自の3層構造をしています(養生シートは、施工後に取り除きます)。
硬い漆喰がフレキシブルなシートになったことで、壁紙と同様に施工が可能です。
そして、施工後は空気中の二酸化炭素と反応して硬化し、漆喰本来の性能が発揮できるように設計されています。
居住空間のホルムアルデヒドを吸着し、健康的な暮らしに役立ちます。
いやなジメジメを抑える調湿効果があります。
8畳間で約2リットルの吸湿・放湿性能があり、壁面結露を効果的に抑えます。
カビの発生を抑え、衛生的な空間造りに貢献します。
不燃材料なので、燃焼時にも有害ガスの発生がほとんどありません。
左官漆喰と同様に、施工後は空気中の炭酸ガスと急速に反応して硬化するために硬く丈夫になります。
施工翌日には実用強度に達します。
反応が進むとネコのつめでは傷が付きにくい状態まで表面が硬くなります。
以上が概要です。
最大のメリットは、壁紙同様の比較的簡単な工程で施工が出来る点です。
塗り仕上に必要な左官技術が必要ない上に、工事期間が短く出来ます。
材料単価が一般的なクロスの2倍から3倍と高級クロス並みで、薄塗り漆喰仕上と同程度の材工コストです。
デメリットは、本格的な漆喰には負けてしまう点でしょう。
漆喰の厚みが塗り仕上より少ないので、同じ面積あたりの調湿効果や有害物質吸着効果は若干劣ります。
また、シートのつなぎ目が左官仕上ほど綺麗には仕上がらない場合も多いので、上手な左官仕上には負けてしまいます。
施工の手軽さと工事期間の短さが最大のメリットといえます。
技術がそれほど必要がなく、安定した施工が出来るという点も長所といえるでしょう。
しかし、本当の左官塗り仕上には、綺麗さや性能では及ばないところがデメリットです。
コストはほとんど同じなので、工事期間を短く、安定した(左官技術のように職人の技量に頼らない)工事が出来る点が漆喰シートを採用するポイントといえるでしょう。
製品例:漆喰ルマージュ