断熱基礎型枠は、ロケットバーで自立する断熱型枠により、1回でコンクリート打設が可能で、ユニット工法による工期短縮が可能な優れた建材です。
メーカー(司コーポレーション)公表の特徴は
発泡素材の基礎型枠なので軽量です。
出荷前に工場で組み立てられて施工現場へ納入されるため、高いクオリティの基礎施工が行えます。
施工現場には、必要な部材だけが納入されるので、余分なゴミを出しません。
断熱材の素材にホウ酸を混ぜ合わせ、シロアリの被害を防ぐ効果を実現。
さらに型枠の上にアルミ製の「防蟻笠木」を取り付けることにより、白アリの侵入を防ぎます。
この「防蟻笠木」はシロアリの侵入を防ぐと同時に型枠の通りを決定する役割も果たしています。
型枠同士を接合する際に使用する鉄棒(ロケットバー)には、二か所のネジ山があり、型枠に予め埋め込まれた金属部分と、精密に噛み合うよう設計。
この鉄棒を回すことで、ミリ単位で型枠を上下移動することができるので、精度の高い基礎が出来ます。
ホールダウン金物の設置には、高い精度が要求され、設置に大変な手間がかかりますが、独自の固定部品でコンクリート打設前にしっかり簡単に固定できます。
アンカーボルト設置は、穴を開けた平セパレーターを用い、その穴にアンカーボルトを通し、下部をセパレーターで受けることでしっかり固定することができます。
以上が概要です。
断熱材を型枠にするアイデアは以前からあるのですが、自立型のユニット工法というのがポイントといえます。
コンクリート打設が1回で済むことも、工事の手間を省略できる点でも便利といえるでしょう。
防蟻笠木はちょっとやりすぎとも感じますが、位置を確定する機能もあるので無駄とは言えないようです。
構造で重要となるホールダウン金物やアンカーボルトの設置を含めて、精度の高い工事が出来る点は優れているのですが、コストの高さが弱点ともいえるでしょう。
基礎断熱を行う場合に比較してもコストアップとなります。
また、販売地域が限られるので、採用できない地域もあります。
基礎断熱を行う場合は、有効な選択肢になりえます。
手間や工期が短くなるので、一般的な工法とのコスト差が少なくなるからです。
しかし、基礎断熱が必要な断熱レベルだと、壁や窓に対しても高い断熱性能が求められます。
基礎断熱が不要な断熱仕様の住宅では、一般的な工法とのコスト差が大きくなります。
断熱を重視した住宅の基礎断熱を行う場合に、初めて有効となる工法といえるでしょう。
製品例:タイト・モールド