住宅性能表示制度の 劣化の軽減に関すること については1つの項目があります。
その各項目についての内容を見ていきましょう。
(ここでは平屋か2階建ての在来工法木造住宅を想定して解説しています。)
3-1 劣化対策等級
構造躯体等に使用する材料の交換等大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するために必要な対策の程度 に対する評価です。
3等級 | 通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下で3世代(おおむね75年から90年)まで、 大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するために必要な対策が講じられている。 |
2等級 | 通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下で2世代(おおむね50年から60年)まで、 大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するために必要な対策が講じられている。 |
1等級 | 建築基準法に定める対策が講じられている。 |
劣化の軽減に関する項目は1項目だけですが、実際に必要とされる内容は多岐に渡ります。
壁の耐久性から、水廻りの防腐対策、基礎廻りや小屋裏の換気などに気を配る必要があるのです。
等級1は、通常の確認申請を行なえば必須なので、工事の際に注意すればクリアできます。
等級2や等級3では、外壁や土台、浴室や脱衣室、地盤の防蟻、基礎の高さ、床下防湿と換気、小屋裏換気などに劣化を軽減するための対策が必要になります。
等級2に適応する場合、一例としては柱を12cm角にして、土台に防腐・防蟻処理材を使用、さらにユニットバスの利用(又は防水性の高い作りの浴室廻り)やべた基礎、基礎高さ400mmや床下換気孔や小屋裏換気などが必要となります。
等級3に適応する場合、一例としては耐久性の高い材料の柱を12cm角にして、土台に防腐・防蟻処理材を使用、さらにユニットバスの利用(又は防水性の高い作りの浴室廻り)やべた基礎、基礎高さ400mmや床下換気孔や小屋裏換気などが必要となります。
等級3でも12cm角の柱やユニットバス利用と基礎の高さやべた基礎、小屋裏換気に注意すれば基準を満たすことになります。
耐久性が高い木材には杉や桧などが含まれるので、仕様を選べば等級3でも それほどコスト高にはなりません。
等級3がフラット35の高耐久住宅に対応する仕様と同等ともいえます。
実際に各等級に要求される劣化軽減を満たす対策には、いくつかの構成や仕様があります。
建てる住まいの作り方に応じた、適切な劣化軽減対策を行なうことが大切なのです。