住宅設計において、平面図や平面詳細図はもっとも基本となる図面です。
部屋の広さやつながりが分かる重要な図面で、賃貸住宅でも間取り図として見ることがあります。
そこで平面図・平面詳細図を見る際に確認しておきたいことや注意すべき点を紹介しましょう。
まず最初に、必要な部屋と適度な広さがあることを確認しましょう。
部屋の広さを確認するときには、1間の長さを確認することも大切です。
一般には1間は1,820mmが基本ですが、1間が1,900や2,000mmなどの場合もあります。
1間四方の面積は1,820mmの場合よりも、1,900mmの場合は1割弱広く、2,000mmの場合は2割ほども広くなります。
普通に6畳の部屋といっても、和室の場合は畳の数で数えることが一般的ですが、洋室の場合は1坪2畳で計算して表示する場合もあるので、下図の様な違いが生じます。
面積チェックの際には注意しましょう。
玄関廻りでは、下足や傘やコートなどの収納が、必要な広さだけ確保されていることをチェックします。
またバリアフリーの住宅では、靴を履く為の腰掛などを置くスペースを確保しましょう。
玄関廻りの段差をなくす場合には、玄関前に排水溝をつけるなど水の侵入を防ぐ配慮が必要となります。
廊下は、芯々が910mmの場合には有効幅が700mm位になる(構造などにより変わります)場合もあるので、車椅子を使用する場合はもっと広めにする必要があります。
和室廻りでは、床の間や仏間など必要な部分を確認します。
住まいの面積を少なくしたい場合には、必要が無い床の間などの部分を省略することも一つのポイントとなります。
リビングは、玄関やダイニングなど周囲とのつながりと広さがチェックポイントです。
開放的なリビングの場合は、他の部屋に移動する為の動線と居住スペースが交錯しないことが大切です。
ソファーなどを置くスペースについても、形や配置を含めてしっかり確認しておきましょう。
ダイニングやキッチンではキッチンの使い勝手を中心にチェックして、使いやすい配置である事を確認します。
テーブルと流しの位置関係や勝手口やユーティリティーとのつながり、食器棚や冷蔵庫の配置などがあなたのイメージ通りに使えることをチェックしましょう。
各個室については、家具やベッドなどを使いやすく配置できることをチェックします。
ベッドの場合は廻りを動くスペースがあることをチェックし、家具の場合には扉や引出しを開いた状態で物を出し入れするスペースが残っていることなどを確認しましょう。
クローゼットや押入については、入れる予定のものを全て収納できる広さがあることをチェックしましょう。
広さに余裕があると安心ですが、その分だけ住まいのコストも高くなったり他の部屋が狭くなることも考えられるので、バランスの見極めが大切です。
洗面所やトイレでは、各設備の機能や収納の配置が使いやすいことが基本です。
また快適に使うには、入り口が玄関やリビングなどから適当に隠れていることなどもチェックしましょう。
平面図に家具などを配置してチェックする場合には、100分の1のスケールの図面は壁厚などの誤差が大きくなります。
そこで、実際の寸法より少し余裕を持たせて考えましょう。
階段廻りでは、下り始めと上り始めの部分が廊下にはみ出したり、ドアの部分と重ならない事が重要です。
階段を移動しているときは廻りの動きに対応しにくいので、急に人が出てきたりドアが開いたりすると、ぶつかりやすくなってしまいます。
ここまでは、普通に作る場合のチェックポイントです。
しかしスキップフロアー(中2階みたいな中間階)を作ることで空間に広がりを与えたり、水廻りを開放的にすることでデザイナーマンション風の水廻りにしたりといった、新しい 既成概念にとらわれない設計の住まいも最近増えてきています。
そこで、疑問に思った部分は積極的に設計者に質問して、内容に納得できれば採用し、納得できない場合は修正してもらうことが一番大切です。
全ての図面の中でも、特に平面図には設計者の個性とアイデアが詰まっています。
一番見る機会が多い図面でもあるので、設計者と納得がいくまで話し合うことが重要なのです。