住宅設計中に、屋根伏図を見る際に確認しておきたいことや注意すべき点を紹介しましょう。
屋根伏図でチェックするべきポイントは、屋根の水の流れる向きと雨といの位置です。
簡単な形の屋根の場合は、軒の出(外壁から屋根が飛び出している部分)の寸法を確認します。
軒の出が多い方が、壁材の傷みや汚れは少なくなります。
純和風では軒の出を長くというのが基本で、900mm位出ているのが標準です。
他の瓦風の屋根では700mmくらいが標準でしょうか。
最近では、軒先がほとんど出ていない住宅も増えてきています。
この形とする場合には、壁材に汚れにくい材料を使うことが必要です。
軒の出の寸法は直接デザインに影響するので、立面図でデザインも確認しておきましょう。
複雑な屋根の場合、勾配の無い谷となる部分が無いことを確認します。
谷があっても勾配があれば雨水は流れますが、水平な谷は水がたまってしまうので雨漏りの原因となります。
屋根の形を変えると解消するケースがほとんどなので、確実に変更しましょう。
どうしても谷が出来る場合には、部屋上にあるバルコニーと同等以上の防水仕上を行う必要があります。
雨といの位置は窓などの開口部分を遮らない事は当然ですが、位置によっては1mくらい移動すると目立たなくなる場合も多いものです。
立面図と見比べながら、チェックしてみましょう。
屋根の先に付く樋の場合は雨といから水が溢れても外に落ちるだけなので、ポーチ廻りを除いては排水性能についてはさほど気にする必要はありません。
しかしバルコニー部分の樋(ドレン)など水がたまりやすい部分では、排水には十分気を配る必要があります。
できればドレンを2箇所設置して、1箇所が詰まっていても排水できるようにしたり、たまった水が抜ける部分(オーバーフロー管など)を設置します。
屋根の中に樋がある谷樋の場合にも、水があふれないように大きめのサイズとしたりドレンを2箇所設置することで雨樋から雨水があふれることを防ぎましょう。
屋根でのチェックポイントは、屋根が谷になる部分とバルコニー部分がスムーズに排水できることです。
どちらも、水がたまる部分に注意する、いうことが大切なのです。