住宅設計において、展開図は室内を内側から見る図面となります。
デザインや窓や出入口の大きさが分かり、家具の配置にも影響があります。
そこで、展開図を見る際に確認しておきたいことや注意すべき点を紹介しましょう。
展開図は各部屋の壁の形やデザイン、家具や設備の位置などを確認する図面です。
各部屋の壁と窓の関係を見て、デザインや使い勝手をチェックします。
窓の高さは開閉の操作がしやすく、かつ安全な高さであることを確認しましょう。
危険な位置にある窓では、効果的な安全策を行なっていることを確かめます。
キッチン奥の出窓では、奥行きが深過ぎると窓の操作がしにくくなる場合もあります。
そこで、実際の高さと奥行きを想定して(今住んでいるキッチン前で奥行きが同じになる位置に立って、窓を開ける操作できるか試してみる等)確認しましょう。
ドアや引き戸などについては、建具表が無い場合には展開図でチェックすることになります。
壁の中でのデザインやバランスに加えて、頭をぶつけないドアの高さや開き勝手などの機能性の両方を意識しながら確認します。
車椅子を使用する場合は、引き手やハンドルが操作しやすい高さや形状であることも確認しておきましょう。
板貼り部分など、仕上が変わる部分の広さやデザインも確認しておきましょう。
腰壁と一面の板張りでは部屋の印象がまったく変わりますし、板を貼る方向が縦から横に変わるだけでもかなり印象が変わります。
壁の色を部分的に変える場合には、図面を実際に色分けして確認することも大切です。
展開図では、手摺やカウンターなどの高さや配置も要チェックポイントです。
手摺の場合は、実際に使う人が一番使いやすい高さであることを確認しましょう。
手摺のつながりがドア等の開口部で切れる部分については、切れる長さによっては対面にも手すりを設置するなどの配慮が効果的な場合もあります。
立ち上がる場所では水平の手摺だけでなく、縦方向の手摺も必要となります。
カウンターについては、高さや周囲の作り方などで使い勝手や見え方が大きく変わってきます。
食堂のカウンターは椅子の高さや隣のテーブルの高さと一緒に考えることが大切で、洗面台のカウンターは家族みんなの使い勝手のバランスを考えて決めましょう。
収納廻りでは、棚板の高さや奥行きなどをチェックします。
棚板の高さなどは使う人の身長などによって使いやすさが変わってくるので、使う家族にあった高さであることを確認しましょう。
同じ高さでも、奥行きが深すぎると使いにくい場合もあるので要注意です。
また展開図では、各部屋・各部分の天井高さについても確認できます。
断面図に出てこない部分の天井高さは、展開図でしっかりチェックしましょう。
展開図は平面図と並んで、室内空間を把握する為の大切な図面となります。
窓やドアなど開口部分から手摺や棚など、実際に部屋を使用する上での大切な情報が記載されています。
そこで細部まで各部分をチェックして、疑問を感じる部分は納得できるまで設計者に確認した上で採用か変更を行ないましょう。