家庭用蓄電池は、住まいに蓄電池を設置して電気を蓄え、停電時や電力消費が多い時間に蓄電池の蓄えておいた電気を使用します。
停電時でも必要最小限の電気が使えたり、深夜の電気を蓄えて電気の使用量が多い時間帯に蓄電池の電気を使用するピークカットの効果で、計画停電の時間を減らす効果などが期待できます。
家庭用蓄電池には、コンパクトで蓄電効率が高いリチウムイオン蓄電池を使用する製品と、安価な鉛バッテリーを使用する製品があります。
リチウムイオンを使用する製品は、コンパクトで蓄電効率(充電する際に必要な電力の中で、蓄えた電力を使える割合)が高いものの価格も高くなります。
そのためか、国による補助金もあります。
鉛バッテリーを使用する製品は安価なのですが、重く蓄電効率も若干低くなります。
ただ住まいに固定して設置するタイプでは、重さや大きさはさほど気にならないものです。
そこで、リチウムイオン蓄電池より10パーセントほど低い蓄電効率(無駄になる電力が多い)が弱点となりそうです。
家庭用蓄電池には、住まいの分電盤に接続して使うタイプと、本体コンセントから電気を使用するタイプがあります。
住まいの分電盤に接続して使うタイプは停電時には自動切換えで蓄電池に切り替わり、照明や家電製品がそのまま使えるところが特徴です。
使える電気の量や場所に制限はありますが、非常に便利です。
また契約によって安価となる深夜電力や、太陽光発電からの電気を蓄えることも出来ます。
安い深夜電力を蓄えて電気代が高い昼間使用すれば、毎月の電気代を減らせます。
ただ太陽光発電を蓄えると現在高く買ってくれる売電の量も少なくなるので、微妙なところでしょう。
また電池の寿命は5年から10年ほどなので、定期的な交換も必要となります。
多少毎月の電気代を減らすことができても、通常は蓄電池の交換費用すらまかなえません。
本体コンセントから電気を使用するタイプは、家庭用コンセントから充電を行い本体のコンセントから蓄えた電気を使用します。
コンパクトな製品が多く、停電の際の非常用としての電源確保という意味合いが強くなります。
停電時に自動切換えしてくれる製品もあり、停電時に使いたい家電製品を接続しておけば停電時にも手間なく使えます。
家庭用蓄電池は、停電時に電源を確保出来る点が一番のポイントとなります。
電気の使用量が多い時間帯に蓄電池の電気を利用することも計画停電を減らす為に効果がありますが、省エネルギーの面から考えると蓄電や電気の変換の際に無駄が生じてしまいます。
少なくとも今年(2012年)の夏では家庭用蓄電池の普及率が少なすぎて、計画停電を減らす効果は無いはずです。
そこで家庭用蓄電池は、停電時に最低限必要な電気を確保することを中心に考えるべきなのです。