家を設計し建てる際には、一定の流れに沿って進んでいきます。
その時々における、主な注意点をまとめてみました。
本文では依頼する相手を建築家で統一していますが、設計者や営業の人でも同様です。
(ただし、営業の人は細かい設計内容の説明は出来ないと思われるので、設計者同席が望ましいでしょう。)
初期打合せ(基本計画) 予算や敷地、必要な部屋などを確認する打合せを行い、それを基に作った簡単な平面図や立面図で住まい全体の大まかな構成を確認していきます。
ハウスメーカーなどに依頼する場合は、そのハウスメーカーのデザインや形が好みに合っていると思われるので、その好みの住まいのデザインのコストや仕様等を再度しっかり確認しましょう。
建築家に依頼する場合に大切なことは、必要な部屋だけでなく家族全員の趣味や好みを伝えることです。
予算や必要な部屋等だけでなく、住まいに対する夢や希望から趣味や普段のクセなどについて出来るだけ詳しく話して建築家の想像力を引き出すことが、個性のある住まいづくりのために重要なポイントとなるのです。
またこの時点で依頼を中止しても、通常 ほとんどお金はかかりません。
建築家と話が合わなくてこれ以上は上手くいかないと感じた場合は、勇気を持って早めに中止しましょう。
本打合せ(基本設計から実施設計) 打ち合わせる時の図面がどんどん増えて、細かい部分まで話を進めていきます。
図面だけだと分かりにくいので、模型を作ったりコンピュータグラフィックを使う建築家も多くなりました。
室内が分かりにくい場合には、内部スケッチを書いてもらったり、平面図と展開図を組み合わせた内部模型を作ってもらいましょう。
また部屋に持ち込む家具なども大きさや配置を確認し、必要に応じて図面を修正してもらいましょう。
単に配置できるだけでなく、扉の開きや出し入れするスペースにも配慮が必要となります。
最終段階まで計画が進んだら、疑問に感じる部分は分かるまで聞いたりするなど、納得するまでしっかり確認することが大切です。
仕上材料の色などは工事の現場で決めることも多いのですが、素材や作り方を変える必要がある場合には、工事が進んでからの変更はできなかったり追加工事が必要となる場合もあります。
そこで設計段階で可能な限り、しっかりまとめておくことが大切なのです。
また建築家との打合せで、現場で決めましょうという話があった場合は、その項目を決める時期を確認しておくことも大切です。
工事が始まる頃には大まかな工程が分かるので、決めなければならない時期も大体分かっているはずです。
工事業者が決定し工事が始まったら、いろいろな部分について決めなければならない時期を確認しましょう。
(しっかりした建築家ならば、適切な時期に打合せの予定を組んでくれるはずですから通常は問題にならないと思われますが、確認はしておきましょう。)
最悪の場合は、工事を勝手に進めてしまって事後承諾となる場合もあります。
地鎮祭や上棟式 家を建てる際の行事です。
地域により作法が変わることもあるので、あなたの地域の作法を知っていて その作法で行いたい場合には、建築家にその方法で行うことを依頼しましょう。
その場合、事前にあなたが行いたい作法を調べたり まとめておき、説明することが必要になります。
作法にそれほどこだわらない場合は、建築家や工事会社に任せましょう。
ただ上棟式については、建て主であるあなたが準備することも多くなるので、しっかり準備しておきましょう。
本工事 出来るだけ工事現場に顔を出しましょう。
建築家に何日何時に現場を見に行くと知らせておくと、現場で説明してくれることも多いので、そこで疑問に思ったことは遠慮せずに建築家に聞きましょう。
このとき工事をしている人に工事で気になる部分を直接話してしまうと、現場が混乱してしまうので避けましょう。
気になったことは建築家かハウスメーカーや建設会社の担当者に話して対応してもらうほうが、後々のトラブルが起きにくいものです。
同様に、一人で現場を見に行った場合にも直接職人に変更等を話すことは控えましょう。
現場の職人さんに工事の内容や工事の方法などを世間話的に聞くことは良いのですが、変更などを話すと現場が混乱する上に建設コストにも関わってくるので、建築家や建設会社に話して対応してもらうべきなのです。
各種検査 引渡しの前に住まいの細かい部分まで事前に見ておいて、気になる部分をメモしておくとよいでしょう。
引き渡してもらった後では家具の搬入などで傷がつくこともあるので、引渡し前にしっかり確認しておきます。
傷などがあって補修が必要な部分は、写真を撮っておく事も一つの方法です。
(不都合が無くとも写真を出来るだけたくさん撮っておくと、後で不都合に気が付いたときの証拠になります。)
設備などについては、使い方が分からない部分などはしっかり聞いておきましょう。
引渡し後でも、使い方が分からない場合は遠慮なく聞きましょう。
間違った使い方は、故障やトラブルの元になります。
また各段階での契約の際は、契約内容を自分できちんと読んで確認した上で署名や捺印を行いましょう。
(分からなかったら分かるまで質問しましょう、きちんと説明する事も建築家の役目です。)